組立産業汎用プロダクトモデル開発環境(GPME)では、この概念であるオントロジをコンピュータープログラム(クラスライブラリ)としてオブジェクト指向言語を使ってコンピューターが理解して実行できる形にしたものをフレームライブラリ(FL:Frame Library)と呼んでいる。FLもオントロジの区分に対応して、それぞれコモンフレームライブラリ(CFL:Common Frame Library)及び拡張フレームライブラリ(EFL:Extended Frame Library)に区分され、造船業用のEFLをEFL/S(Extended Frame Library for Shipbuilding)と呼んでいる。そして、そのFL(CFL及びEFL/S)を用いて個々の製品(船舶)及びその生産過程をコンピューター上に表現したものが、プロダクトモデルである。
CFLのみでどのような情報を表現できるか、また、EFL/Sまで含めると更にどのような情報まで表現できるのかを表したイメージを図3.1-2に示す。なお、幾何を含むBFL(Basic Frame Library)はCFLに含まれており、EFL/Sがカバーする範囲とは厳密にはCFL+EFL/Sがカバーする範囲ということを意味する。艤装設計及び組立や日程計画、作業指示といった部分は造船特有という要素はほとんど無いので、大半がCFLに含まれている。一方、船殻構造設計の部分は、設計の手順そのものがオントロジに含まれており、船舶という製品に依存したFLになっているので、EFL/Sに分類される。