日本財団 図書館


3. プロダクトモデルの共通化

プロダクトモデル(PM)の共通化については、共通機能の拡充、構造設計フレームライブラリ(FL)の柔軟性向上、船殻詳細構造表現能力の拡充及び艤装FL共通機能の拡充を実施して、ACIM FL Version1を作成した。

以下に、まずプロダクトモデル・オントロジ・フレームライブラリといった言葉の説明をした後、拡張方法、共通機能の拡充、船殻構造FL共通機能の拡張、そして艤装FL共通機能の拡充について述べる。

なお、工作FLは船殻構造FLや艤装FLと密接な関連を持っており、船殻構造FL及び艤装FLが実用レベルに拡張されていることを検証するためには、工作FLも同様のレベルに拡張しておかなければならず、また、検証用アプリケーションによるFLの検証を有効に行うためにも工作FLの拡張が必要で、それを広範にわたって拡張したので、これについて最後に触れる。

 

3.1 プロダクトモデルとオントロジ、フレームライブラリの関係

PMとオントロジ及びFLの関係を模式的に表したものを図3.1-1に示す。

 

065-1.gif

図3.1-1 PMとオントロジ、FLの関係

 

製品及び製品の生産過程の知識の共有問題を扱うため1980年代末に、知識表現としてオントロジ(Ontology:ものの定義とその関係の定義の集合)の概念が導入された。組立産業汎用プロダクトモデルの開発研究では、造船業における製品(船舶)及び生産過程の知識を、このオントロジの概念に基づいて、組立産業全般の共通部(コモンオントロジ)と個別業種用の拡張部(拡張オントロジ)に分けて整理した。本開発研究では、この拡張オントロジの部分を中心に、より実用性を高めることによって造船各社で共通に利用できるものになるよう拡張を行った。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION