50,000DWT型砕氷型バルカー
本船はシップ・アンド・オーシャン財団の北極海航路開発調査研究委員会で試設計した船型である。H5〜7年度に喫水8m、排水量27,000トンの要目に対して、最適船型を絞り込むために、船首形状3種類、船尾形状2種類の組合わせに対して氷海水槽試験、平水中試験などのシリーズ試験を行なった。その試験結果をベースに、更にH9年度、北航路向けに喫水を12.5mに拡張した50,000DWT型砕氷型バルクの開発を行った。シリーズ試験の結果、平水中の性能が優れた従来型の船首形状Aと砕氷性能の優れたスプーンバウ型と呼ばれる船型Bの利点を取り入れた船首形状Dを採用し、船尾については船尾bを元にフレアーの傾斜を大きくし旋回性能を改善した船尾dを採用した(図4.1-17)。試験結果から推定すると、砕氷能力は3ノットで平坦氷1.2m、平水中の速度は15%シーマージンを含み17ノットである。40,000DWT型砕氷型バルク・コンテナーが砕氷能力を重視したのに対して、本船は平水中の性能を重視しており、主機出力は平水中の性能が支配的である。推進器はエンジン直結の固定翼プロペラである。一般配置図を図B-14に示す。