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●ロング海峡(Long Strait)

ランゲル島と大陸との間の海峡。幅は広く、南北2航路のどちらかを通るのが一般的である。それぞれの航路における最浅水部深さは、それぞれ20及び33mである。冬季には大陸からランゲル島へ定着氷が発達するが、夏季までこれが残ることは無い。しかしながら、アイスマッシフあるいは多年氷により航行が阻害される場合がある。

ごれらの海峡のうち、ビルキツキー海峡、ドミトリーラプテフ海峡、ショカルスキー海峡及びサニコフ海峡の4海峡については、航行にあたって砕氷船のエスコートが義務付けられている。

 

(2) 氷況

他の航路と比較してNSRの最も重要な特徴は、言うまでも無く、航路上における氷の存在である。NSRの航行には砕氷あるいは耐水能力を持つ氷海船舶が必要となるとともに、船舶の航行する航路も氷の状況により影響を受ける。NSRにおける氷況は季節及び海域により大きく変化する。以下においては、船舶の航行という観点から、冬期と夏期におけるNSR上の氷況を述べる。なおここで言う冬期及び夏期とは、一般的な四季区分ではなく、海氷の成長期である10月から翌年5月を冬期、海氷の融解期である6月から9月を夏期とする。また、海域による氷況の特徴を見るために、カラ海からベーリング海峡に至る海域を図4.2-2に示す以下の7領域に分けて扱う(WP-121)。

・カラ海南西部

・カラ海北東部

・ラプテフ海西部

・ラプテフ海東部

・東シベリア海西部

・東シベリア海東部

・チュクチ海南西部

冬期NSRにおける氷況は定着氷により特徴付けられる。定着氷は大陸あるいは島の沿岸から沖合いに向けて発達し、その厚さは海域によっては2m以上にも達する。定着氷の発達は、カラ海東部からセベルナヤゼムリヤにかけての海域及びラプテフ海から東シベリア海西部のノボシビルスク諸島を付近の海域において顕著である(図4.2-3)。これらの海域における定着氷の発達は、海域の地理的特徴に拠るところが大きい。

 

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図4.2-2 海域の分割

 

 

 

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