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4.1.2 ロシアにおける氷海船舶

 

(1) SA-15型商船

結氷水域における船舶による交通は、NSRをはじめとしてバルト海、カナダ北極海、五大湖及びセントローレンス川等において発達し、各種物資の輸送のために氷海航行能力を有する貨物船、タンカー等の氷海商船が建造・使用されてきた(表4.1-3)。特にロシアでは、ソ連時代の計画経済下、NSR及びオビ・エニセイ等の大河川における水運の担い手として、一大氷海商船団が作り上げられた。1997年初頭のデータによれば、L1以上のアイスクラスを有する氷海船舶の数は150隻にのぼる(WP-167)。これらロシア保有の氷海商船団の中核を成す船舶がSA-15型商船である。SA-15型商船は、氷海商船としては、現在、ロシアのみならず世界的にも最も代表的な船舶ということができよう。以下に、氷海商船の代表例としてSA-15型商船について述べる。

 

表4.1-3 世界の代表的な氷海商船

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