「なぎさ海道の魅力発見と兵庫運河─市民と海をつなぐ情報交流のはじまり─」をテーマに、今までのワークショップ開催地でご講演いただいた講師の方及び兵庫運河で活動されている方の4名を講師にお招きし、リレートーク形式ですすめました。約170名の参加のあったフォーラムでは会場からの活発な意見も出され、その後の懇親会でも講師と参加者との交流をはかることができました。
また今年度は、各回でアンケート用紙を配布し、参加者の意見をお聞きしました。その結果の概要は20〜22ページに記載しております。ワークショップの取り組みについては、「新しい発見などがあり充実した内容」「生態系に配慮したまちづくりをはじめとする様々な課題を確認した」「参加者の拡大や地域の人々との交流が必要」などの指摘がありました。また、「なぎさ海道」を実現させるための「なぎさ海道ワークショップ」の活動の活かしかたとして、「意見交換・交流の場づくり」「トレイルや市民参加のしくみなどの新しいしかけづくり」「関係各所や一般市民への広報などの充実」といった回答が寄せられました。
今後は、海辺での市民の活動など小さな「なぎさ海道ムーブメント」を、一般市民や企業、自治体に対して広げていくことが必要です。そのためには、
●多様なテーマによる体験型ワークショップの継続実施
●市民活動グループの掘り起こしとネットワーク化(情報交換の機会の提供)
●企業の研修や体験学習プログラムなど、新たな市民参加につながる事業として展開
●多くの市民が参加し、課題を共有するためのフォーラムの開催
●なぎさ基金などを通じて海辺の保全活動を支援
などが課題としてあげられます。
このワークショップ報告書では、講演録及び現地視察の内容、各回のアンケート結果について取りまとめました。多くの方々にご一読いただき、「なぎさ海道」について関心を高めていただければ幸いです。そして、ワークショップを今後とも継続することで「なぎさ海道ムーブメント」を起こす糸口となることを期待します。
最後になりましたが、このワークショップに講師として参加いただいた方々、各地での開催にご尽力いただいた方々、そして熱心に参加いただきました方々に厚くお礼申し上げます。
平成12年3月
なぎさ海道推進会議・なぎさ海道ワークショップ委員会
(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構
「なぎさ海道ワークショップ'99」委員会・委員(敬称略)
紙野桂人 帝塚山大学人文科学部 教授・大阪大学 名誉教授
中村英雄 特定非営利活動法人新町川を守る会 理事長
松尾カニタ 関西インターメディア株式会社 プログラムスタッフ
鷲尾圭司 林崎漁業協同組合 企画研究室長
酒本毅 大阪府企画調整部企画室 企画監
砂川静壽 兵庫県知事公室 審議員
渡辺由美子 和歌山県企画部 企画総務課長
吉田耕三 徳島県企画調整部 政策企画監
浜田耕筰 大阪市計画調整局計画部 企画主幹
吉武準一 神戸市震災復興本部総括局復興推進部 調整課長