6. 結語
海上における人命及び財産の安全を増進し、海洋環境を保護するための国際条約締結への経過と展開について述べてきたが、海運先進国たる締約国は、開発途上国の船員訓練機関等に対し技術協力を促進すべきことはSTCW条約の条項を引くまでもなく、今や自国が支配する商船隊を安全に運航するために取り組むべき課題となっている。
船員の技術水準を向上伝承させることが安全運航の基本条件であることに他ならない。
国際船舶制度等が推進されようとする時に当たって、船員教育機関への技術協力の具体的な展開の一つとして、AMETIAP東京会議開催に向かっての諸調整を含み、AMETIAPにおける成果をとりまとめ、我が国から発進する船員教育訓練の協力体制について構築することもまた時代の趨勢であると思われる。