2. IMOの設立について
IMOはInternational Maritime Organisationの略であり、日本では国際海事機関と称されているが、1958年設立の国連専門機関の一つで、1982年まではIMCO政府間海事協議機構Inter-Governmental Maritime Consultative Organisationと呼ばれていた。
IMCOの創立は、1948年、ロンドンにおいて開催された国際会議に遡る。
この国際会議では、1929年の『海上人命安全条約及び第2付属書』を基礎として、『1948年海上における人命の安全のための国際条約』を承認署名するが、敗戦国の日本は、この国際会議に参加していない。
しかしながら、英国政府から『1948年海上における人命の安全に関する国際条約』の回付を受けた我が国は、これを受諾し、昭和27年11月から発効せしめ、国内法の整備を行っている。このような国際的に重要な『意志決定』を行うIMOの機構図は下記の通りとなっている。
船舶の安全運航に従事する世界の海技者集団にとって、最も関係の深い委員会は、海上安全委員会であるが、その任務は次の各項である。
航行援助施設、 船舶の構造及び設備、 船員の資格・配乗
衝突予防規則、 危険物の積載及び荷役、 水路情報
航海関連書類、 海難調査、 捜索救助
その他安全に関する事項
これらの項目のうち、船舶の構造及び設備については、従来からSOLAS条約を中心にハード面から安全運航対策を講じてきたが、予期された程に海難が減少せず、海難の原因に人的要因が深く係わっているとの解析がなされるに至った。
世界の船舶による主な油流出事故(1967〜1997年)は次に示す通りである。