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また、微粒子化に関連して、油に油処理剤を散布し、攪拌すると、油は微粒子化するものの、微粒子の大きさによっては、時間が経過すると再凝集する場合もあることから、微粒子化に合わせて再凝集するかどうかについても観察する必要がある。

さらに、流出油に対して油処理剤が有効か否かを最終的に判断するには、写真−6に示すような付着力の程度について観察する必要がある。油処理剤は、流出油を微粒子化し、自然浄化を促進するとともに、流出油を微粒子化し、付着力をなくし、海岸に漂着した場合の被害を極小化するために散布するものである。

したがって、付着力の程度が、油処理剤の有効性の決め手となる。

 

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写真−6 油処理剤処理油の付着力の程度

(左から従来型油処理剤、新型油処理剤、新型は付着力がほとんどない。)

 

2]ナホトカ号流出油に対する新型油処理剤の評価結果

海上で採取したナホトカ号の流出油に、新型油処理剤、従来の油処理剤を使用し、その有効性について1]に準拠して主観的評価及び客観的評価を行ったので、その結果を示す。

イ 主観的評価

(イ)ムース化油

ムース化油に対しては、新型油処理剤、従来の油処理剤とも効果がないものと思われる。

(理由)

・ムース化油の油層厚が厚く、ムース化油に油処理剤を散布しても油処理剤がムース化油の中へ浸透しない(閉鎖された場所で長時問静置すれば少しは効果がある。)。

・ムース化油の表面を部分的に覆う海水があり、油処理剤が海水と反応して薄まってしまう。

 

 

 

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