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写真−5 従来の油処理剤で処理されたC重油の海岸への漂着状況

(海岸の小石に油がベッタリと付着している。)

 

有効性の評価方法は、2つの分野に分類される。その1つは主観的評価であり、分散油滴の大きさ、付着力、水面に残留している未分散の油量に対する目視観察による方法で、他の1つは客観的評価であり、水中へ分散した油を溶剤で抽出し、分光光度計でその量を測定する方法である(この方法は、油処理剤の性能試験の際に使用されている。)。

目視観察による評価方法(例)は、次のとおりある。

イ 試験手順(図−6参照)

(イ) 試験管に底から高さ5cmまで海水を入れる。

(ロ) その上に試験油を10滴加える。

(ハ) さらに油処理剤を1滴加える。

(ニ) 試験管を1分間振とうする(1分間、120回、振幅12cm)。

(ホ) 試験管を静置する。

(ヘ) 5分、10分、15分の3段階ごとに、試験管を光源上に置き、光の透過する最低位置(透明、不透明を区分する一種の境界線)を判定して線を付ける。

口 判定

油処理剤は、流出油を微粒子化するために散布する薬剤であり、より微粒子化できるかどうかが判定の基準である。この試験においては、微粒子化されればされるほど不透明の層が大きくなることとなり、試験管の底から光が透過する最低位置までの距離が短いほど、その油に対しては、使用した油処理剤が有効であるということになる。

 

 

 

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