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海洋科学技術センター国際サンゴ礁シンポジウム

環境変動の指標としてのサンゴ礁生態系の多様性と健康

報告書

平成12年4月

海洋科学技術センター

 

まえがき

 

日本においてサンゴは、昔話やお伽話のなかで“金、銀、珊瑚、綾錦”という言葉で親しんでいるように、金銀に匹敵する貴重な宝物、非常に大事なものであるという認識がありました。

近年は、この珊瑚が“地球環境変動の生物指標”になるとの考えから、新たな研究の対象ともなっています。さらに珊瑚が生育する海域では生物が非常に豊富に生育していることから、海洋生物のゆり籠とも認識されており、人類にとって大変貴重な宝物でもあります。

海洋科学技術センター:JAMSTECは、この珊瑚に関して従来より各種の研究を行ってきました。特に最近のサンゴ礁研究においては、日本近海における珊瑚の白化現象の報告がなされ、地球温暖化到来の兆候と社会的な関心を呼び起こしたこともあります。そのためJAMSTECでは、日本最大の珊瑚礁海域である沖縄県石垣島の石西礁湖において、定期的・継続的なサンゴの生態系調査を実施しております。同様の研究は米国のフロリダ近海、豪州あるいはインドネシアの近海でも実施されておりますので、今回のシンポジウムにおける第一の目的は、それら世界最先端のサンゴ研究についての意見交換と考えています。

さらに今後は意見交換に止まらず、サンゴ研究が世界的規模のプロジェクトとして地球環境を探るために大きな役割を果たすことを希望するとともに、シンポジウムから新しい研究が生まれることを期待します。

 

平成12年2月23日 開会挨拶要旨

海洋科学技術センター

理事長 平野拓也

 

 

 

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