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テセウスは4月17日0022時にJolliffe湾を出た。0220時にFirst Baseを通過し、1112時にSecond Baseを通過して、無事ホーミングと位置の更新をした。その両方で音響テレメトリでコンタクトをとった。必ずしも必要ではないが、これによって学ぶべき経験と再確認がされた。Shortstopでは、あとで分かったことだが、トランスポンダが機能しなかったために、ホーミングができなかった。テセウスはそのままThird Baseに向かい、深度420mから30mまで上昇するようにプログラムされていて、4月18日の0118時にホーミングに成功した。その後、1.6km先のCatcherに向かった。Catcherでのホーミングは最初は良好であったが、catchment loopに近づくと悪くなった。Alertでは、制御室でファイバケーブルを介して依然通信はしており、そこのオペレータが帰投するように命令を出した。オペレータは、Knossosの水面に設置された音響トラッキングシステムによって得られ、無線でAlertに送られてくる位置情報によってloopを通るようにテセウスを操舵した。テセウスはうまくloopを通り抜け、海水下600mから浮上した。Catchment loopからファイバケーブルが回収された後、帰途に就くためにバラストを調整するようにファイバケーブルを通してコマンドがテセウスに送られた。これが完了すると、ケーブルを1km余分に水の上に出した後、テセウスは出発地に戻るように命令を受け、ケーブルを切断した。復路は本当の意味で自律航法であった。

テセウスはShortstop(そこには新しいトランスポンダが設置されていた)、Second Base、Sliding Homeを経て帰投した。First Baseでは、ホーミングのステップは完全にはこなせなかった。大きなナビゲーションのエラーがあるということを意味することになるので、テセウスのナビゲーションfault tableはこれを大きな問題が起きたと判断した。結果、テセウスはプログラム通り停止し、音響テレメトリによる次の指示を待つために海氷下で浮上した。First Baseのユニットで音響のコンタクトがとれたので、ビークルは完全にロストしたわけではなかった。音響テレメトリによって、進路が指示され、4月19日1140時、Jolliffe湾の投入地点の穴に帰投した。

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Figure 6: The southern portion of the fiber-optic route showing the launching area and the transponder site at ‘Sliding Home’

 

 

 

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