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資料4

 

ロシアの電波航法の現状と予定

Denisov V.L

 

概要

この報告は過去数年間の独立連邦国家(Commonwealth of Independent States CIS)と西ヨーロッパで実現した電波航法援助装置のサポートと応用についての技術的な方針の実現方法について述べる。既存の一般用電波航法システムの説明と利用者の応用への新たなアプローチ、利用者の目的に航法データを合わせる機能の解説を含んでいる。

焦点としてはディファレンシャル サブ システムの開発のためユーロ フィックス技術を使用した地上システムと衛星航法システムの複合化がである。ロラン―Cシステムとチャイカシステムの地上の電波航法チャンネルを使用したGLONASSとGPSの補正放送の試験結果が報告されている。報告書には西部ヨーロッパとCISの東部ヨーロッパ諸国のチャイカとロラン―Cのカバーエリア内でGLONASSとGPSを使用した切れ目の無い電波航法の覆域を確立するための考察が述べられている。

 

はじめに

 

近年の新しい方向は、航法情報の要求としての利用範囲が広くなっている。測地学、海図、海洋学、気象、環境保全等さらに、交通量の増大にともなう航法支援の高度な要求に対応するような分野における従来には無かった問題点を解決する必要がある。

これらの状況は電波航法援助の組織およびそれを使用するための新しいアプローチを見出す必要性を生む。現状のGLONASS、GPS衛星航法およびチャイカ、ロラン―C地上システムは世界の関係機関により利用することが推奨されている。システムは国家の援助システムとして展開運用されており、約90箇所では単独のシステムとして使用されている。

衛星航法は地上システムに比較して多くの特徴を有する。もっとも顕著な長所のひとつは、空、海、それに陸の全ての利用者にとって幅広いアプリケーションの可能性がある広範囲の電波航法であることである。しかしながら、衛星システムの実際の経験では位置の精度、利便性、完全性において利用者の要求を完全に満足することができないことがわかった。その上、妨害を受けやすい。当然この理由により航法システムを利用するためのもっとも完全な方法が検討されている。

陸上システムの基本的な欠点はカバーエリアに制限があることである。

 

 

 

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