添付資料3-1
SEABAT8000シリーズナローマルチビーム測深機性能評価資料
1. 工場出荷前の水槽試験及び結果
ソナーシステムの精度を検証する最も良い方法は、実際にソナーが使用される水中において、その使用レンジで試験する事である。異なった深度における、平坦な海底を調査し、個別の測深システムによりその地域の水深を注意深く測定する必要がある。
これらのリファレンスとなる地域の水深は、適切なセンサーを装備した高精度なマルチビーム測深システムにより測定する必要がある。これらのセンサーは、位置センサー、方位センサー、姿勢センサー、音速測定用プローブ、および正確な潮汐データ入力等である。数回に及ぶ測深を実施し統計的な手法により水深のオフセットを特定し、ビーム角と水深の関数としての標準偏差を算出する。
又、実際のテストは既知の構造物もしくは傾斜がある海底で実施し、ソナーの物体の検出能力を実証する事も出来る。
マルチビーム測深システムの性能検査は通常このような手順で行われる。
水槽試験では、用意できる水槽の物理的な大きさの制限より、ソナーシステムの全性能を検証する事は出来ないが、リファレンスを適用した基本的な測深性能の検証が可能である。
レソン社のマルチビーム測深システムは、米国海洋大気局(日本の海上保安庁水路部と気象庁の役目を有する組織)、デンマーク沿岸調査局、ニューブランズウィック大学(カナダ)ほかの多くの客先で実際に試験されており、その性能が実際に客先で確認されている。
1.1 水槽試験の概要
SEABAT8124型及びSEABAT8101型の比較試験が実施されている。試験は実際にスケールを当てて測定した真の水深が確認されている水槽において、システムのソナーヘッドを固定して実行されている。テストに使用した当社の試験水槽の寸法は6.2m(長さ)×3.9m(幅)×2.87m(深さ)であり、ソナーヘッドをテスト治具に固定し、中心の5本のビームにおいて水深を計測している。検査時の水中音速は1490.5mであり、この音速はカナダ、AML杜SVPLUS型音速計により計測されており、最終音測値はUNESCOの標準式で算出されている。音速の計測精度0.03%である。
測深データの標準偏差は約1500回の測深データについて適用されており1シグマの値がグラフに記載されている。