2]基準点測量時の誤差
カメラ位置を特定する目標物の位置データは、トータルステーションを用いて計測しているため、その計測誤差が発生する。基準点測量で使用したトータルステーションの精度は、測角精度(V)5秒、測距精度5mm+2ppmである。目標物を設置した範囲は20mであり、基準点測量においてピンポールミラーを目標物に直接設置したため、位置測定精度は約5.5mm以内である。
3]基準点測量(GPS)の誤差
目標物の座標系を決定するために、計測範囲の両端および基地局に基準点を設置し、この位置を長時間(3時間程度)RTK-GPSを用いて計測した。基地局は、計測場所のすぐ脇に設置したため、GPS測位の公称精度である水平方向:±(1cm+2ppm・D)、垂直方向:±(2cm+2ppm・D)に近い値になる。また、基準点をGPSとトータルステーションで計測したデータを比較した表を表4.2.4に示す。
両者のデータにはほとんど誤差がないことより、RTK-GPSによる基準点の測位データの誤差は小さいことが分かる。
4]計測時の衛星状況
今回の実験では、後処理のキネマティックGPS測量を行った。その計測データを基に衛星の状態やデータの品質についてソフトウェア(クイックプラン:Trimble Japan)にて確認した。計測時の衛星配置、測位品質、衛星数を再現した画面を図4-2.1〜4.2.5に示す。その結果から、基準点測量時の衛星状態は、14時台ではあまり良好ではないが、その後15時を過ぎるに連れ、好転していることがわかる。衛星の配置が一部偏っている点と、周囲の建物のマルチパスの影響が懸念されることを除けば、悪条件ということではなかった。