表に示したカメラ基線長の差─14mm〜2mmは、画像データからカメラ位置を算出するときの誤差であり、基本的に「航空三角測量」と同様に写真計測の誤差である。基線長の誤差については、測量用のカメラやデジタルカメラでは数mm(デジタルカメラの実績で±6mm程度)であり、カメラが通常のスチルカメラであるため、妥当な値であるといえる。画像データからのカメラ位置の算出においては、写真測量の誤差をはじめ、いくつかの誤差要因が考えられる。
以後に、その誤差要因について検討結果を示す。
1]写真計測の誤差
写真測量の精度は、一般的に写真縮尺つまり撮影距離によって決まる。ここで、添付資料1の(1)式に今回の撮影条件を当てはめてみると、
・焦点距離:35mm
・対象物との距離:約10m
・カメラ間の距離:1.2m
写真上での水平位置の測定誤差:0.01mm(1画素あたりの大きさ)
従って、計測誤差として水平位置で約2.86mm、△YP(奥行き精度)で約23.71mm程度であることが分かる。これは写真測量を行う以上、排除することができない誤差である。