ここで、
ρa:空気密度
Sd:ダクト断面積
C2:ダクト入口縮流係数
CC:オリフィス後方縮流係数
AO:オリフィス断面積
AOT:オリフィス出口拡散流面積
である。(15)式には未知の解である運動振幅 |χ5| が含まれるため、繰り返し計算によって収束解を求める必要がある。
F5. タンク水柱水位と内部圧力
前述の(12)式および(14)式はタンク及びダクト内の空気圧力の水柱変化の相互関係から導かれた式である。以下にその概要を示す。
両舷に対象に配置された減揺タンク内の水柱変位とダクト内の空気の流れについて、一方のタンクから他方へダクトを通じて空気の流れが起こる反対称モードと、流れが起こらず空気が圧縮される対称モードに分けて考える。
F5.1 空気の圧縮効果(対称モード)
空気の圧縮効果とタンク水の対称上下揺運動χ4によって生じる力を求める。ダクト内の初期圧力をPOとすると、
PO=Pa+ρwgη (16)
となる。ただし、
Pa:大気圧
である。水柱変化と内部圧力の関係は、ボイルの法則に従えば水柱の対称変位χ4と圧力増分は次の関係となる。

ここで、(dt-T)Stは片舷タンク内の空気容積であり、ldSdはダクト半長内の空気容積である。(17)式に(16)式を代入し、大気圧はPa=0とすると、(12)式が得られる。