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裏返すとおでんには、一人のときでも食べたいほどの魅力があるということです。「日本人全てにとっての<おふくろの味>だからでしょう」と言うのは、全国のおでんを食べ歩いて本にまとめた、ルポライターのアライ ヨシミさん。「一口におでんと言っても、地方によって形態は様々ですが、基礎的、伝統的な素材と調味料が使われている点は共通。だからだれもが郷愁を感じるのです」

そろって食卓を囲まなくなれば、家族の絆はいやでも弱まります。それなのに、いや、それだからこそ家庭の味が恋しくなります。おでんの復権は、家庭崩壊と家庭回帰の微妙なバランスの上に成り立っているのです。

 

 

 

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