「メディカル」
人工の永久歯を目指して
高齢者にとって義歯(入れ歯)はかかせないものですが、この義歯も最初は異物感があってなかなかしっくりとはいかないものです。高級陶磁器メーカーのノリタケカンパニーリミテッドはこれを改善しようと、長年の焼き物の技術を生かし歯科材料の研究開発に乗り出しました。
人工歯はもともと、金合金の台座に長石系の陶材(陶器の材料)を何層か塗り焼き固めながら作ります。従来の材料は、ひび割れし易い欠点がありましたが、ノリタケでは高純度のファインセラミックス原料を10数種調合するなどして、ひび割れしないファインセラミックスの陶材を開発しました。更に同社では、この陶材を補強する金属材料の開発にも成功しました。