本日ここに、常陸宮殿下の御臨席を仰ぎ、平成11年度社会貢献者表彰式が挙行されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
まず初めに、この度「社会貢献者表彰」を受賞される皆様に対し心からお祝い申し上げます。
本日、表彰を受けられた皆様は、身を挺して人のために尽くされた方、国際社会への貢献に努められた方、社会福祉の向上に尽くされた方など、いずれも社会に対して大きな貢献をなされた方々であり、その御貢献に対し、深く敬意を表する次第であります。また、遠い異国の地で、我が国の国際社会への貢献の鍵となる国連平和維持活動を行う中、不幸にも凶弾に倒れられた故秋野豊さんに対しましては、心から御冥福をお祈り申し上げます。
私は常々、我が国が目指すべきは「富国有徳」の国家であると申し上げてまいりました。このような国家においては、「国は立派だが国民は不幸せ」というようなことがあってはならないのは当然のことであります。政府といたしましては、国民一人一人が豊かで幸せに安心して暮らせる社会の建設に向けて、全力を尽くしてまいります。
また、このような社会を築くためには、政府の施策とあいまって、国民の皆様一人一人の積極的な社会貢献が不可欠であることは申し上げるまでもありません。私は、かかる社会貢献を自ら実践し、社会の各分野において、高潔な志により全力を尽くしておられる方々の御努力が極めて重要な意義を持つものと考えております。
本日表彰を受けられた皆様方の御貢献に対し、改めて敬意を表しますとともに、社会貢献運動が国民の間に深く浸透し、この運動を通してよりよい社会が実現されることを期待いたしまして、私のあいさつといたします。
平成11年11月10日
内閣総理大臣 小渕恵三