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ルーマニア

 

(1) 一般事情

 

ルーマニアは、欧州の東南部バルカン半島の北東部に位置し、北はウクライナ、東はモルドバ、北西はハンガリー、南西はユーゴスラビア、南はブルガリアと、それぞれ国境を接し、東南は黒海に面している。

国土面積は238,391km2(日本の0.63倍)、人口は2,257万人(97年央)であり、首都をブカレスト(人口204万人)におく。

人種はルーマニア人が89%、ハンガリー人が7%、その他から成っている。

言語はルーマニア語が公用語であるが、少数民族がハンガリー語、ドイツ語などを日常使用している。

宗教は住民の殆ど全てがキリスト教の信奉者であり、その87%はルーマニア正教である。

気候は、首都ブカレストの冬1月の平均気温がマイナス2.7℃、夏7月の平均気温が23.5℃で、年間降水量は370cmである。

ルーマニアは、1877年オスマン・トルコ帝国から独立宣言し、81年にルーマニア王国として発足したが、1947年には王制を廃し人民共和国を樹立した。

その後、89年には一党独裁が廃止されると共に、市場経済システムが導入され民主化が進んでいる。

外交では、国際社会における孤立化からの脱却と欧州への復帰を表明している。

わが国とは伝統的に友好関係にあり、政治、外交および経済面で関係が進展し、特に89年のルーマニアにおける政変以降は、わが国からの経済援助、投資等についても大きな期待が寄せられている。

ルーマニアの経済は1997年より、旧共産主義の影の強い体制から、実質的な市場主義経済体制に移行し始めたところである。

国際通貨基金(IMF)等との合意に基づいて1997年3月より経済改革プログラムを実施し、他の中・東欧諸国より数年遅れの本格的な移行措置を採った。

このため、93年より回復基調にあったGDPは、97年は一転して6.6%のマイナス成長となり、98年も引続き7.3%のマイナス成長となった。

政府は、新たな政策プログラムを発表し、改革を層推進することに努めているが、その後も実態経済に改善の兆しは現れておらず、遅れている大規模国営企業、公団、国営銀行の民営化を如何に促進するかが、経済回復の鍵となっている。

世界銀行の推定によると、1996年におけるルーマニアの国民総生産(GNP)は1994〜96年の平均価格をベースに算定すると、総額361億9,100万ドルであり、国民1人当りでは1,600ドルに相当する。

1990〜96年の期間に、国民1人当りの実質GNPは、年平均0.1%の割合で増加しており、この間の人口は年平均0.4%の割合で減少している。

 

 

 

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