翌年以降、急激な経済不況に見舞われ、93年のGNPは95億2,000万ドルとなり、これは国民1人当りでは約900ドルに相当する。
実質GNPは、91年は11%、92年は26%、93年は30%の減少となったが、94年は4.7%、95年には6.0%の増加を記録している。
実質GDPは、1990〜95年の期間に44.7%の減少をしているが、95年は6.6%の増加となっている。
ユーゴスラビアの人口は、91年の旧ユーゴスラビアの人口の44.2%であり、1985〜95年の期間に、平均年率0.5%の割合で増加している。
農業部門(林業、水道業を含む)は、国連FAO資料によると、1995年GDPの19.3%を占め、全労働人口の26.5%を雇用している。
主要作物は、とうもろこし、小麦、甜菜、ポテトなどであり、果物、野菜の栽培も盛んである。
1990〜95年の農業部門の実質GDPは6.2%の減少となっている。
農産物生産高は93年は5.6%の減少、94年は3.2%、95年は0.5%の増、96年は7.8%の減となっている。
工業部門(鉱業、製造業、建設業、電力業を含む)は、95年GDPの38.8%を寄与し、全労働人口の28.9%を雇用している。
1990〜95年の工業部門(建設業を含む)の実質GDPは58.0%の減少となっている。
工業部門生産高(建設業を含む)は、92年は23%、93年は37.7%の減少であったが、94年は1.2%、95年は4.0%、97年は9.6%の増加を記録している。
主要鉱産物は石炭(主として褐色炭)、銅、鉱、ボーキサイトのほか、鉄鉱、原油、鉛、亜鉛鉱および天然ガスも産出されている。
現ユーゴスラビアは、1990年に旧ユーゴスラビアの石炭産出量の60%、原油の34%を産出している。
近年の鉱業部門は、他部門に比べ厳しい不況には見舞われていない。
94年の石炭の産出量は1.7%の増加となっているが、原油および天然ガスはそれぞれ9.2%、14%の減少となっている。
製造業部門は、89年の旧ユーゴスラビアのGDPの41.4%を寄与している。
現ユーゴスラビアは、旧ユーゴスラビアの鉱産物生産量のうちセメントの34%、粗鋼の28%、機械の48%、乗用車の62%を生産している。
国連の輸入規制に対応して、93〜94年には製造業部門の輸入代用品の生産が奨励された。
ユーゴスラビアのエネルギーは、火力発電(68%)と水力発電(32%)により供給されている。
1992〜95年は、鉱物性燃料が国連により輸入禁止となったが、国内のエネルギー需要は、概ね石炭・水力発電により満たすことができた。