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べルギー

 

(1) 一般事情

 

ベルギー王国は、欧州大陸の北西部に位置し、北はオランダ、東はドイツとルクセンブルグ、南はフランスと、それぞれ国境を接し西は北海を隔てて英国と対している。

国土面積は30,519km2(日本の0.08倍)、人口は1,019万人(97年央)であり、首都をブラッセル(人口95万人)におく。

人種は、ゲルマン系フラマン人(オランダ語使用)・ラテン系ワロン人(フランス語使用)から成り、人種、言語の全く異なった民族が北部と南部に分かれて居住する多民族国家である。

言語は、住民の約57%がオランダ語、約42%がフランス語、約0.6%がドイツ語を使用しており、二つの国語(オランダ語、フランス語)が公用語になっている。

宗教は、キリスト教、カトリックが大勢を占めている。

気候は、メキシコ湾流と偏西風の影響を受けて概ね温和であるが、南東部の高原地域は、やや大陸的気候に近い。

なお、ベルギーは共通通貨ユーロに加盟しており、通貨はベルギー・フラン(1999年4月23日現在1ドル=37.90ベルギー・フラン)を使用している。

ベルギーの政体は立憲君主制である。

また、外交ではNATO・EU重視、欧州統合推進、開発途上国への経済協力の積極的推進などを基本方針としている。

ベルギーの経済は、貿易依存度が高く、世界貿易の動静に大きな影響を受け易い構造である。

90年後半より景気が後退し始め、93年にはマイナス成長に転じたが、94年以降は回復基調にあり、97年の実質GDP成長率は好調な輸出に支えられて、96年の1.3%から3.0%へと大きく回復した。

98年は欧州経済の減速を背景に、成長率はやや低く2.9%となっている。

財政赤字は、単年度の対GDP比はかなり改善(97年2.1%)されているが、対外債務残高は依然として高水準にあり、98年末の対GDP比は115.8%を記録している。

物価上昇率は低い水準(98年1.0%)で安定しており、失業率も景気の持続に伴い96年の13.8%から98年8.6%、99年9.0%へと改善されている。

なお、政府は93年末に「総合計画」を策定し、雇用創出、競争力の回復、社会保障制度の整備に取り組んできている。

世界銀行の推定によると、1995年のベルギーの国民総生産(GNP)は、1993〜95年の平均価格で算定すると2,507億1,000万ドルであり、これは国民1人当りでは24,710ドルに相当する。

 

 

 

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