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農業部門(牧・林・漁業を含む)は、1996年GDPの4.0%を寄与し、全労働人口の7.6%がこの部門に従事している。

林業は、この部門で最も重要な分野であり、輸出収入総額の31%(96年)を占めている。

主要農産物は、オート麦、甜菜、ポテト等である。

1980〜90年の期間に、農業部門のGDPは実質で年平均0.2%の割合で減少している。

1990〜95年の期間もほぼ同様であるが、95年は3.7%の減少、96年は0.3%の増加となっている。

フィンランドは、北緯60°以北に位置しているため、農業は発達しておらず耕地面積も全土の約9%に過ぎない。

一方、森林は国土の約65%を占めており、欧州諸国では第3位の森林面積である。

このため、フィンランドでは森林は最大の資源となっている。

製紙、パルプ、木材の生産と輸出は世界的規模を誇っており、国民所得に占める林産関係の比率も極めて高い。

工業部門(鉱業、製造業、建設業、電力業を含む)は、、1996年GDPの33.8%を寄与し、全労働人口の27.8%がこの部門に従事している。

1980〜89年の期間に、工業部門のGDPは実質で年平均3.5%の割合で増加しているが、1989〜92年の期間では4.6%の減少となっている。

工業生産(建設業を含む)は、1991〜94年の期間に年率6.0%の割合で成長しており、95年は7.5%を記録している。

鉱業および採石業は、全労働人口の0.2%を雇用し、GDPへの寄与率は0.4%(96年)である。

鉱業分野のGDPは、1980〜90年の期間に実質で年平均5.7%の割合で増加しているが、91年は7.8%、92年は2.3%の減少を記録している。

鉱産物の生産高は、1990〜93年の期間に年平均4.9%の割合で減少しているが、94年には11.7%の増加、95年には0.5%の減少となっている。

主要鉱産物の輸出は金であり、亜鉛鉱、銀、銅鉱、鉛鉱なども少量ではあるが生産されている。

製造業は、1995年にGDPの26.2%を占め、全労働人口の20.6%がこの部門に従事している。

製造業の中で最も重要な分野は、製造業生産総額に占める割合(96年)からみると、金属製品および電気・輸送機器(39.5%)、食料・飲料(9.3%)である。

1980〜89年の期間に、製造業部門のGDPは、実質で年平均3.5%の割合で増加しているが、90年、91年はそれぞれ0.7%、10.9%の減少、92年、93年、94年、95年はそれぞれ2.7%、5.5%、12.1%、8.7%の増加となっている。

1996年における主要エネルギー源は、石油(28.6%)、木材燃料(16.6%)、原子力発電(16.4%)、石炭(14.6%)、天然ガス(9.9%)、泥炭(7.0%)である。

 

 

 

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