フィンランド
(1) 一般事情
フィンランド共和国は、北欧に位置し北はノルウェー、北西はスウェーデン、東はロシアと、それぞれ国境を接し、西岸はボスニア湾、西南岸はバルト海、南岸はフィンランド湾に面している。
国土面積は338,145km2(日本の0.89倍)で、人口は514万人(97年央推定)であり、首都をヘルシンキ(人口:52.5万人)におく。
人種はフィン人で、言語はフィンランド語とスウェーデン語が公用語であり、住民の約93%はフィンランド語、約6%はスウェーデン語を日常使用している。
宗教は、福音ルーテル教(国教)である。
内政では、現政権(社民党を首班とする5党連立)は、失業問題の解決、対外債務の削減を重要課題として取組んでおり、外交面ではロシア、北欧諸国およびバルト3国との関係を重視している。
なお、95年1月にEUに加盟し、99年1月には経済通貨同盟にも参加している。
また、わが国とは伝統的に友好関係にあり、特に最近は、政治・外交面での関係が緊密化しつつある。
フィンランドの経済は、1987年より3年間高度成長(GDP成長率:87〜89年平均4.8%)を記録した後、欧州経済情勢の後退、対旧ソ連貿易の大幅減少等の対外貿易の不振から、国内経済が停滞した。
このため、経済成長は91年から3年連続してマイナス成長を記録し、失業率も18.4%(94年)と戦後最悪を記録した。
92年に、通貨(マルカ)のフロート制への移行を実施、マルカの実質的切り下げから輸出競争力が改善され、93年の貿易収支は大幅な黒字を計上し、GDPの成長率は97年6.0%、98年5.0%を記録している。
世界銀行の推定によると、1995年におけるフィンランドの国民総生産(GNP)は、1993〜95年の平均価格をベースとして算定すると、総額1,051億7,400万ドルであり、国民1人当りでは20,580ドルに相当する。
1985〜95年の期間に、国民1人当りのGNPは実質で平均年率0.2%の割合で減少したものと推定される。
この期間に、人口は年平均0.4%の割合で増加している。
フィンランドの国内総生産(GDP)は、1986〜96年の期間に実質で年平均1.4%の割合で増加している。
このうち、91〜93年は急速な減少となっているが、94、95、96年はそれぞれ4.4%、4.2%、3.7%の実質成長率を記録している。