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ハンガリー

 

(1) 一般事情

 

ハンガリー共和国は、欧州の中央部に位置し、北はスロバキア、東はウクライナおよびルーマニア、南はユーゴスラビアおよびクロアチア、西はオーストリアと接した内陸国である。

国土面積は93,032km2(日本の0.25倍)、人口は1,013万5,000人(98年初)であり、首都をブタペスト(人口186.1万人)に置く。

国土は全般に平坦で、その約80%が低地と低い丘陵、残りが山地である。

ドナウ川が国の中央部を貫流しており、これに平行して東部をティサ川が流れている。

国土の南西部には中部ヨーロッパ最大のバラトン湖があり、海のないハンガリー人にとって憩いの地となっている。

気候は温和な大陸性で、冬が永くて厳しくマイナス10℃以下となることもある。

人種は、ハンガリー人が96.6%を占め、その他にドイツ人、スロバキア人などがいる。

言語は、ハンガリー語が公用語として使用されている。

宗教は、カトリックが約68%、カルビン派新教が約21%である。

通貨は、フォリント(99年2月26日現在1ドル=230.4フォリント)が使用されている。

ハンガリーの政体は、1989年に人民共和国から共和国に体制変革され、市場経済化路線が推進されている。

90年に民主政権成立後、一貫して「西欧への復帰」を標榜、EU、NATOへの早期加盟を外交の最重要課題としている。

ハンガリーの経済は、1990年の民主政権成立後、市場経済への移行を本格的に開始し、国営企業の民営化、資本市場の育成を中心とする急進的な経済改革を遂行した。

この結果、高インフレ、高失業率に見舞われ、経済成長率、農業・工業生産は一時マイナス成長に陥った。

このため、政府は95年に巨額な財政赤字(GDP比8%)、貿易赤字(38億ドル)の削減のため、通貨切下げ、輸入課徴金の賦課、社会福祉の切下げ等を柱とする緊急経済安定化措置を導入した。

同措置は95年後半から成果を見せ始め、97年末の財政赤字はGDP比4.6%、貿易赤字は18億ドル、インフレ率は18.3%へと改善された。

98年も引続き成長を続けており、2000年には1989年の水準に戻ると推測されている。

世界銀行の推定によると、ハンガリーの1995年の国民総生産(GNP)は、1993〜95年の平均価格で算定すると421億2,900万ドルとなり、国民1人当りでは4,120ドルに相当する。

 

 

 

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