ノルウェーの実質国内総生産(GDP)は、1980〜90年の期間に年平均2.9%の割合で増加しており、1990〜96年では3.9%の増加を達成している。96年、97年の実質GDPの成長率は、それぞれ5.3%、3.5%を達成している。
農業部門(林業、漁業を含む)は、1996年GDPの2.5%を寄与し、全労働人口の5.1%がこの部門に従事している。
耕地面積は国土面積の僅か3%以下に過ぎない。このため、農業部門での最も重要な分野は牧畜が中心となっている。
漁業は、1970年代の初め以来政府により集中的に開発されており、輸出収入の6.7%(96年)を占めている。
農業生産高は、1985〜96年の期間に年平均0.2%の割合で増加しており、95年は0.8%の減、96年は0.4%の増を記録している。
工業部門(鉱業、製造業、建設業、電力事業を含む)は、1996年GDPの36.1%を寄与し、全労働人口の22.9%を雇用している。
1980〜90年の期間に、工業部門の実質GDPは、平均年率3.5%の割合で増加している。
また、1990〜96年の期間における工業部門の生産高は、平均年率5.0%の割合で増加しており、95年は5.6%の減少、96年は5.4%の増加を記録している。
鉱業部門は、全労働人口の僅か1.1%(96年)を雇用しているに過ぎないが、GDPへの寄与率は16.7%(96年)に達している。
ノルウェーの主要地下資源は、石油および天然ガスであり、この2品目だけで輸出総額の46.2%(96年)を占めている。
原油・天然ガスの可採埋蔵量は、北緯62度以南の大陸棚のみで50億トンと推定されており、北緯62度以北のノルウェー海大陸棚の推定可採埋蔵量は約70億トンと発表されている。
このほか、鉄鉱石、黄鉄鋼、銅、鉛、亜鉛などの埋蔵もあり、既に採掘されている。
原油・天然ガスの生産高は、1990〜96年の期間に年平均10.2%の割合で増加している。なお、その他の鉱産物は0.9%の増加である。
製造業部門は、GDPの12.9%(96年)を寄与し、鉱業と合わせて全労働人口の14.9%がこの部門に従事している。
製造業の主要分野は、95年の生産高からみると、食料品(全体の25.1%)、金属・同製品、化学品、紙、輸送機器などである。
特に、造船業は1980年代初め以降不振であり、現在では世界の商船建造市場における地位は急速に低下している。
1990〜96年の期間に、製造業の生産高は年平均2.3%の割合で増加しており、96年は実質2.8%の増加を達成している。