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ノルウェー

 

(1) 一般事情

 

ノルウェー王国は、スカンジナビア半島の北西部を占め、北は北極海、西はノルウェー海、南は北海に臨み、東はロシア、フィンランド、スウェーデンと国境を接している。

国土は南北に細長く、国土の約半分が北極圏内にあり、耕地面積は全土の3%程度に過ぎず、約25%が森林地帯、残りは山丘不毛地帯や氷河による河川・湖沼・峡湾などから成っている。

さらに、国土の2の1以上が海抜500m以上、4分の1が海抜1,000m以上の高さにある。

国土面積は、323,877km2(日本の0.86倍)、人口は441万人(97年央)であり、首都をオスロ(人口73.2万人)におく。

人種は北方ゲルマン民族、主要言語はノルウェー語で、宗教はキリスト教(福音ルーテル派)である。

ノルウェーは、特殊な地形を生かした水力発電を利用して電気化学・電気治金工業を発展させてきた。また、1971年には北海油田で商業生産を開始し、75年からは石油輸出国となった。

ノルウェーは、過少人口という要因もあるが、国内エネルギー需要の50%ずつを占める水力と石油は、21世紀前半までは十分な余裕をもって自給可能といわれ、先進国では異例の恵まれたエネルギー事情を有する国である。

ノルウェーは、豊かな原油収入を背景に独立志向が強く、72年、94年の国民投票ではいづれもEU加盟を否決しているが、98年からのクローネの続落、ユーロの堅調などを受け、EU加盟論議が再び国内で高まっている。

ノルウェーの経済は、市場経済と政府介入経済の2部門から成り、政府は国営石油企業を介して石油開発事業に参入し、また農・漁業、人口稀薄地域に補助金を支出している。

GDPの50%以上を福祉部門に支出するため、税率は世界最高レベルである。

石油・ガス部門がノルウェー経済成長の推進力であり、GDPの15%を石油収入に依存しているが、原油価格の低落により経常収支の黒字は縮小傾向にある。

高成長経済は、98年から石油減産、輸出不振を主因として減速しており、99年のGDPの伸びは2%台への低下が予想されている。

なお、通貨はクローネ(99年3月30日現在1ドル=7.763クローネ)を使用している。

世界銀行の推定によると、1995年のノルウェーの国民総生産(GNP)は、1993〜95年の平均価格で算定すると1,360億7,700万ドルで、国民1人当りでは31,250ドルに相当する。

1985〜95年における国民1人当りの実質GNPは、年平均1.6%の割合で増加しており、同期間における人口は0.5%の割合で増加している。

 

 

 

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