1980〜90年の期間に、工業部門のGDPは実質で年率1.9%の割合で増加しており、94年、95年の成長率は共に7.3%を記録している。
デンマークの鉱業部門は、1995年に全労働人口の僅か0.1%、GDPの0.8%を占めているに過ぎない。
デンマークは天然資源に乏しいが、1970年代に北海のデンマーク領域における石油埋蔵の探査活動で、有望な油田が確認されている。1980年代の原油産出量は、83年の215万トン、84年の234万トンが94年には916万トンに大きく増加している。
天然ガスも広範囲にわたって探査活動が続けられている。
また、1989年にはユトランド半島の北西部で、チタン、ジルコニウムおよびイットリウムを豊富に含んだ砂の有望な埋蔵が確認されている。
製造業の中で最も重要な分野は、生産価格からみて、食品加工、鉄鋼および金属、化学品および製薬、印刷および出版、機械類、電子機器および輸送機器である。
1980〜90年の期間に、製造部門の実質GDPは、年率1.0%の割合の増加に過ぎないが、94年、95年にはそれぞれ8.4%、7.9%と大きな成長率の伸びを記録している。
デンマークは、エネルギー源を主として石油と天然ガスに依存している。
1994年の石油生産は916万トンに達したため、天然ガスを加えると自国エネルギー需要を自給で十分賄えることができる(88年の自給率は約40%)。
1995年における鉱物性燃料の輸入は、輸入総額の約5%を占めている。
現在、代替エネルギー源(風力など)の開発も推進されている。