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ギリシャ

 

(1) 一般事情

 

ギリシャ共和国は、ヨーロッパ南東部、バルカン半島の南端部と、周辺のクレタその他約5万の島嶼から成り、国土面積は131,990km2(本土107,194km2、島嶼24,796km2、日本の0.35倍)である。

本土は、北はアルバニア、ユーゴスラビア、ブルガリア、東はトルコに国境を接している。

本土の西側にピンダス山脈が南北に縦走し、山岳地、石灰石の岩山や禿山などが国土の約75%を占め、平野部は少なく、気候も乾燥が甚だしい。

人口は1,052万人(97年)であり、首都アテネの人口は約300万人である。

人種は90%がギリシャ人で、言語は現代ギリシャ語、宗教は住民の95%がギリシャ正教である。

ギリシャの政治は、イミア島の領有、キプロスをめぐる対トルコ関係の悪化など多くの課題を抱えているが、外交は欧州統合への積極的関与、サイプラス問題・エーゲ海問題をめぐるトルコとの対立関係の調整、バルカン諸国との関係強化などを基本方針としている。

ギリシャの経済は、2001年の欧州単一通貨参加を目指しているが、参加条件をいずれも満たさない唯一の国である。94年以降プラスに転じた実質国内総生産(GDP)の成長率は、96年に活発な民間、EU補助金対象公共投資が牽引役となり、当初予測を上回る2.4%の成長を記録した。

引続いて、97年も3.2%の高成長率を達成し、98年も3.7%の成長率が予測されている。

政府は、2001年からのユーロ参加を目標に、財政の緊縮等、経済構造の改善に努めており、97年のインフレ年率5.5%を99年2月には3.4%まで下げてきているものの、目標である99年末までにユーロ参加基準である2.0%までにもっていけるかが注目されている。

世界銀行の推定によれば、1995年のギリシャの国民総生産(GNP)は、858億8,500万ドル(93〜95年平均価格により算定)であり、これは1人当り8,210ドルに相当する。

1985〜95年の期間に、1人当りの実質GNPは、年率1.2%の割合で増加しており、同期間における人口は年率0.5%の割合で増加している。

また、実質GDPは1990〜95年の期間に年率1.1%の割合で増加しており、96年は2.5%の増加と推定される。

農業部門(牧・林・漁業を含む)は、1995年のギリシャのGDPの14.2%を寄与しており、労働人口の20.4%がこの部門に従事している。

主要農産物は果物・野菜(輸出総額の11.6%、95年)、穀物、砂糖きび、タバコなどである。

1990〜94年の期間に農業部門のGDPは、年率3.1%の割合で増加している。

 

 

 

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