なお、この期間における人口は、年0.6%の割合で増加している。
オランダの実質国内総生産(GDP)は、1980〜90年の期間に、年率2.3%の割合で増加しているが、90〜95年では、1.8%の成長率に低減している。
GDPの成長率は、95年は2.3%、96年は3.5%、97年は2.7%を記録している。
農業部門(林業、漁業を含む)は、1993年のGDPの3.4%を寄与しており、労働人口の僅か4.2%がこの部門に従事している。
オランダは、農産物の輸出国であり、95年輸出総額の16.2%が食料品、動物で占められている。
主要農産物は砂糖きび、ポテト、穀物、野菜および果物である。
また、園芸が盛んであり、切り花、球根は伝統的に重要な産業であるが、輸出収入への貢献度は、90年代半ばから減退している。
家畜業も重要産業の一つであるが、97年に豚の流行病が発生したため、国内飼育豚の3分の1が殺され、豚の輸出が停止されている。
1985〜95年の期間の農業生産高は、年率0.7%の割合で増加している。
工業部門(鉱業、製造業、建設業および電力業を含む)は、93年GDPの28.6%を寄与しており、労働人口の約22.5%がこの部門に従事している。
工業生産高は、97年には3.7%の成長を達成している。
天然資源開発産業分野は、93年GDPの2.9%を寄与している。95年には、労働人口の約0.2%が鉱業・採石業の分野に従事している。
主要鉱産物は、天然ガス(オランダは96年の生産高では世界第4位)であり、96年初における埋蔵量は1兆8,000億m3と推定されている。
また、石油、塩も採掘されている。
製造業は、1993年GDPの18.4%を寄与しており、労働人口の15.8%がこの部門に従事している。
製造部門の主要分野(93年、生産額による)は、食品工業(24.2%)、機械類(15.3%)、化学製品(14.0%)である。
石油精製業は、オランダの重要産の一つとなっている。
英国との合弁会社Royal Dutch Shellは、石油業では米国のExxonに次ぐ世界第2位の石油会社であり、ロッテルダムにおいて石油精製のほか、石油化学コンビナートを設け、各種化学品の生産を行っている。
その他、ロッテルダムにはEsso、Caltexなど多くの外国の大石油会社が、貯蔵基地・精製プラント等を設置して、石油取引の大市場を形成している。
電子機器では、日本でも有名なPhilips社は、オランダを代表する多国籍企業で、欧州最大の家電・電子メーカーである。
製造部門の生産高は、1985〜90年の期間に、年率3.1%の割合で増加しているが、90〜94年では僅か0.5%と低減している。