日本財団 図書館


オランダ

 

(1) 一般事情

 

オランダ王国は、ヨーロッパの北西部に位置する立憲君主国であり、北と西は北海にのぞみ、東はドイツ、南はベルギーと国境を接している。

国土面積は40,844km2(日本の0.11倍)で、人口は1,570万人(98年)であり、首都をアムステルダム(人口110万人)におく。

国土の大部分はライン川・マース川・スヘルデ川の三角州上にあって、「低い国」の国名が示す通り、全面積の約25%が干拓により造られた海面下の土地であり、海抜5m以下の低地が約60%を占めている。

干拓事業は13世紀に始まり、17世紀に入って動力に風車が使用されるようになると大きく飛躍し、アムステルダムやロッテルダム周辺の広大な土地が造られた。

20世紀に入ると、更に大規模な干拓が行なわれ、オランダの内海のゾイデル海は堤防によって外海から遮断され、総面積2,050km2にも及ぶ広大な干拓地が造られている。

オランダは古くから海運国、商業国、農業国として知られているが、現在、全土の利用率は牧草地・草原33%、農作地・園芸22%、森林10%、市街・道路等9%、産業地域1%、その他25%となっている。

人種はゲルマン系、言語はオランダ語であり、宗教はキリスト教(カトリック31%、プロテスタント8%)その他である。

オランダの内政は、3党による安定した連立政権が続いており、外交では米国と緊密な関係維持・NATO体制の堅持、欧州統合の積極的推進、国連重視、積極的開発途上国援助などを基本方針としている。

オランダの経済は、政局の安定を反映し、好調に推移しており、また、中継・加工貿易を軸として、国際経済への依存が高いのが特徴である。

94年以降、景気は回復基調にあり、96年、97年はそれぞれ3%を上回る3.1%、3.6%(98年推定:3.9%)を記録している。この最大要因は、良好な雇用情勢に裏付けされた個人消費支出の伸びにある。

ギルダー安による好調な輸出と比較的低い金利により、96年後半からビジネスに活気が戻っており、設備投資も回復基調にあるところから、この好調は等分続くものとみられている。

当面の課題としては、所得政策、財政赤字削減、社会保障制度見直し、失業者数の削減、先端産業振興等による経済活性化等があげられている。

世界銀行の推定によれば、1995年のオランダの国民総生産(GNP)は、93〜95年の平均価格により算定すると3,710.4億ドルとなり、1人当りでは24,000ドルに相当する。

1985〜95年の期間における1人当りの実質GNPは、年率1.8%の割合で増加している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION