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イタリア

 

(1) 一般事情

 

イタリア共和国は、南ヨーロッパのほぼ中央部にあり、北部アルプス地帯から南部に向かって地中海に長く突きでている半島と、その南西部のシチリア島・西部のサルジニア島、その他の小島からなる。

気候は温暖で典型的な地中海性気侯である。

国土面積は、301,268km2(日本の0.8倍)で人口は5,752万人(97年央)であり、首都をローマ(人口272万人)におく。

人種は、歴史的に諸民族が混合しており、明確に定義できないが、中心は地中海人種である。

言語は、イタリア語(地域により独、仏語等少数言語)であり、宗教はカトリック教が国民の約95%を占めている。

現内閣は、中道左翼政権である。また、外交は欧州統合の積極的推進および大西洋同盟の強化と対米協調が、基本方針となっている。

イタリア経済は、国内総生産(GDP)規模で欧州では、ドイツ、フランスに次ぐ第3位の経済大国になっている。

ユーロヘの第一陣参加を目指し、マーストリヒト条約の経済収斂基準を達成すべく、90年代前半から財政赤字の削減とインフレの抑制に重点をおいた経済運営を行ってきた結果、97年の財政赤字はGDP比で3%以下に低下し、インフレも29年ぶりの低水準である1%台に低下するなど著しく改善しつつあり、5月にはイタリアのユーロ参加が決定している。

景気は96年以降、輸出、内需の停滞により減速していたが、政府の景気刺激政策や経済収斂基準達成に向けた経済環境の改善により、97年半ばから回復基調にある。(97年の実質成長率は1.5%)

世界銀行の推定によれば、1995年のイタリアの国民総生産(GNP)は1兆880億8,500万ドル(93〜95年の平均価格による)であった。これは1人当り19,020ドルに相当する。

1985〜95年の1人当りの実質GNPは、平均年率1.7%で増加している。

また、同期間における人口は、年平均0.1%の割合で増加している。

実質GDPは、94年は2.2%、95年は3.0%、96年は0.6%の増加を記録している。

イタリアにおける大企業は鉄鋼、自動車、化学などを中心とする重化学工業部門に集中しており、中小企業は繊維、食品、皮革などを中心とする伝統的産業に従事している。

農業部門(林・漁業を含む)は、1996年GDPの2.9%を寄与しており、労働人口の約6.8%が、この部門に従事している。

イタリアは、欧州経済共同体(EEC)の農業生産量の約22%を占め、フランスに次ぐ農業生産国である。

 

 

 

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