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英国

 

(1) 一般事情

 

英国(グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国)は、国土面積が244,100km2(日本の0.65倍)、人口が5,901万人(97年央)であり、首都をロンドン(人口712万人、97年推定)におく。

人種は、アングロサクソンおよびケルト系で、言語は英語(ウェールズ語、ゲール語等使用地域あり)である。

宗教は、国民の約55%が英国国教で、その他ローマンカトリックなどがある。

英国では、北アイルランドにおいてカトリック系とプロテスタント系の住民の間で、約30年にわたってテロを交えた対立が続いていた。ブレア政権は1997年に発足以来和平実現に向け積極的働きかけを行ってきたが、漸く98年4月に関係当事者間の合意実現にこぎつけている。

また、EUの通貨統合には現在のところ参加しておらず、次期総選挙(2002年予定)後の国民投票実施を念頭に準備を進めるとの立場を表明している。

英国の経済は、2年連続マイナス成長のあと93年以来インフレなき安定成長を持続し続けてきたが、98年に入り減速しつつある。

これは、96年夏以来のポンド高が製造業・輸出産業にダメージを与え、景気の牽引役であった個人消費についても、消費者間の景気先行きに対する不安感から、減速傾向にあることに因るものである。

国内では、イングランド銀行による利下げが迅速かつ継続的に実施されていることもあり、リセッションの回避は可能であるとの見方が強い。

政府の99年度実質国内総生産(GDP)成長率予測は1.0〜1.5%、民間研究機関の平均値は0.7%(98年12月現在)となっている。世界銀行の推定によれば、1996年の英国の国民総生産(GNP)(94〜96年の平均価格による)は、1兆1,521億3,600万ドルであり、これは1人当りのGNPでは19,600ドルに相当する。

1990〜96年の1人当りの実質GNPは、年平均1.5%の割合で増加しており、また同期間における人口は、年平均0.3%の割合で増加している。

英国の実質GDPは、1990〜92年の期間に年平均1.3%の割合で減少しているが、93年には2.2%、94年4.4%、95年2.9%、96年2.6%の増加を記録している。

農業部門(牧・林・漁業を含む)は、1996年のGDPの1.8%を寄与し、労働人口の1.9%がこの部門に従事している。

主要作物は小麦、大麦、ポテト、砂糖きび等である。

牧畜(特に鶏・牛)および動物加工品は、漁業と共に重要産業となっている。

 

 

 

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