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アイスランド

 

(1) 一般事情

 

アイスランド共和国は、北極圏に近い北大西洋北部にある火山島で、その国土面積は10.3万km2(日本の約1/4)であり、人口は27万人(98年央)である。

首都レイキャビックの人口は10.43万人である。

人種は主として北方ゲルマン系であり、言語はアイスランド語、宗教は大多数が福音ルーテル教である。

アイスランドは全島が溶岩台地で、約100の火山があり、温泉が多く、地震も多い。

メキシコ暖流の影響で温暖だが、高地は雪におおわれ「雪と氷の島」の名がある。

全島の80%が不毛の火山地帯であるため、農作物の栽培に適さず、また、市場規模が小さいので大規模な産業は発達していない。

唯一の産業は、にしん、たらなどを中心とする水産業であり、その水産物の約90%が輸出されている。

他に、天然資源にみるものがなく、しかも外国貿易依存度の高いアイスランドにおいて、常に国際価格の変動に左右される水産物の輸出が、全輸出の90%以上を占めているため、アイスランド経済は、年々不安定の中で経過している。

90年以降回復基調にあったアイスランドの経済は、92年に入り水産物価格の低迷および漁獲量の減少等により、成長率は一時落ち込んだが、94年には水産物等の輸出が大幅に伸びたため、その後は順調な伸び(96年は5.6%、97年は5.4%、98年は5.1%)を示しており、貿易収支も黒字を計上している。

一方、石油危機以降1983年に84.3%までに達した1980年代の高インフレは、その後歴代政権が強力に対インフレ対策を進めた結果、91年には2桁を切り、98年には1.7%まで下り、インフレは沈静化している。

失業率(96年4.4%)は、他の西欧諸国に比べれば低位に止まっている。

世界銀行の推定によれば、1995年のアイスランドのGNP(93〜95年の平均価格による)は、66億8,600万ドルであり、これは1人当りでは、24,950ドルに相当する。

85〜95年の期間における1人当りの実質GNPは、年平均1.1%の割合で増加しており、この期間の人口は、年率1.1%の割合で増加している。

アイスランドの実質GDPは、82〜92年の期間に年平均1.8%の割合で増加している。ただし、92年の実質GDPは3.3%の減少をしており、また93年も僅か0.9%の増加であった。

逆に、94年3.7%、95年は1.0%、96年は5.2%の増加となっている。

農業部門(牧・林・漁業を含む)は、96年GDPの12%を寄与しており、労働人口の約9.3%がこの部門に従事している。

 

 

 

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