日本財団 図書館


ベトナム

 

ベトナム造船産業

 

I. ベトナム造船産業

1. 可能性と課題海に向かって開かれたベトナムは地理的に恵まれた位置にあり、その長い海岸線は造船業の発展にとって理想的な条件である。ベトナム政府は─経済開発政策において─海事経済部門の振興と育成に力を入れてきた。海港、自国船隊、造船業発展のための計画が立案され、造船業は政府から多少の財政支援を受けている。

自国の造船業を育成するために、ベトナムは、設備が不備な造船所をグレードアップするために巨額の投資が必要とされるという現実に直面している。海運市場が不況に苦しみ、しかも先進造船国間の競争が熾烈な現状では、この問題は一層深刻化する。

以上の事実は、ベトナム造船業の発展にとって、可能性をもたらすと共に、課題を突き付けるものでもある。

2. ベトナム造船業の現状

周知の通り、ベトナムは1996年以来ドイモイ政策を実施している。それにより国の経済発展に新たな意欲が加わり、これは造船業にも有利な背景となっている。

ベトナムの造船業はほぼ全面的に二つの官庁、すなわち国防省と水産省の監督下にあり、さらに国営企業Vietnam Shipbuilding Industry Corporation(ベトナム造船産業公社、略称ヴィナシン)も関与している。1999年1月現在、ベトナム国内の造船所の総数は約60。

ヴィナシンはベトナム政府の直接監督下の産業グループとして設立された。ヴィナシンは16造船所を含む子会社27社を傘下に収め、その総雇用人員は約14,000名に上る。また合弁企業4社に出資している。

ヴィナシン傘下の主要造船所の能力を以下の表に示す。

第1表 ヴィナシン傘下の主要造船所の能力

120-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION