修繕船部門
一方、フィリピンの修繕船部門にとって、市場の前途は明るい。修繕船事業は今日なお、造船所の活動の中心をなしている。内航・外航船隊の平均船齢と内航荷動きの伸びからすれば、修繕船の需要は高い。国内の全造船所が、50DWTから300,000DWTまでの船舶を受入可能な入渠設備を保有している。国内の船舶の総数のうち13%が毎年、87%が2年ごとの入渠検査を義務づけらている。法定の入渠工事の他にも、海運各社独自の船舶管理計画による開放検査、改造、船種転換工事、調整等の受注もある。
しかし、すべての船舶が、スケジュール通りに国内の造船所に入渠したり、修繕を受けるわけではない。一部の造船所、特に大型の設備を具えた造船所では、外国船や国内の大型船の乾ドック入渠や修理で、能力に余裕がなくなっている。一部の造船所、特に大型設備の能力は、外国船および大型国内船の入渠工事や修繕で手一杯の状態にある。Keppelグループの造船所が、フィリピン国内の外国船および大型国内船の修繕市場を支配している。
さらに、自社船、主として遠洋漁業活動に携わる船舶の修繕その他の入渠工事用に、自社設備を保有している企業もある。その他の船舶の入渠ニーズに応じられるのは、残る少数に過ぎず、その大半は小型船の保守、修繕に特化している。現在では、入渠待ちの期間が2ヵ月にも及んでいる。過去2年間の国内造船所の修繕、その他入渠工事の実績を第6表に示す。隻数ベースで国内造船所の修繕船工事実績は1997年から98年にかけて60%の伸びを示した。