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II 中国船舶工業集団公司(CSSC)と中国船舶重工業集団公司(CSIC)

わが国の国務院が承認した構造改善計画にしたがって、2大造船グループ、すなわち中国船舶工業集団公司(CSSC)と中国船舶重工業集団公司(CSIC)が、旧中国船舶工業公司を母体として1999年7月1日に発足した。CSSCとCSICの誕生は、中国造船産業の管理システムにおける重要な改革の一歩を印すものである。

(1)中国船舶工業集団公司(CSSC)

CSSCは国有の巨大企業で、造船、修繕船、機器製造、研究開発、第3次産業など、その事業活動は多岐にわたっている。95000人の従業員を雇用し、58の企業と機関を傘下にに収め、その内訳は工業30社、研究開発機関、センターなど9組織、その他の企業や機関が19となっている。

造船がCSSCの中心事業で、江南造船(集団)有限責任公司、滬東造船集団、広州造船国際有限公司など、中国南部の主要な造船企業の大半はその傘下にある。これらの企業は技術水準が高く、かつ資源も豊かで、多様な分野に新技術と作業工程を普及させている。

CSSCの新造船能力は180万DWTで、最大の船台は100,000DWT級の船舶の建造が可能である。内外の船主向けに多数の撒積船や原油タンカーを建造し、さらにケミカル・タンカー、LPGタンカー、自動車運搬船、高速水中翼船など、高度なハイテク船艇も建造している。

修繕船もCSSCの主要事業で、文沖、澄西の2大船廠の他、多数の工場で行われている。

傘下のディーゼル機関、補機、航海計器に特化した機器メーカーも10社を大きく超え、CSSCは、さらに中国全土の他のメーカーとも提携して、舶用機器製造体制を確立している。

研究開発機関9組織を擁するCSSCは、科学研究の資源面でも比較的豊かで、かつ強力である。中国造船産業の最大かつ最古の研究開発センターである、著名な中国船舶及海洋工程設計研究院(MARIC)を始め、これらの機関は民用船舶、軍用艦艇、オフショア機器、舶用機器・システムに関する研究開発、造船技術、造船標準化、精密計測・試験、ソフト・サイエンス、建設工事の設計と管理などに関する研究開発など、多様なサービスを提供することができる。

生産の各部門を網羅する強みと、造船産業における技術の進歩をフルに活用して、CSSCは舶用以外の製品の開発にも力を注ぎ、海運、航空宇宙、建設、電力、石油化学、環境、冶金、鉄道、軽工業など、20種を超える部門でも活躍している。

 

 

 

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