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マイクロ波高度計の分解能は通常数kmのオーダであり、広域の波浪の監視や地球規模の波浪の計測などに適している。有義波高の測定誤差は±0.5m以内、あるいは波高の10%以内のいずれか大きい方と言われている。

これまでのマイクロ波高度計には、GEOSAT-RA(Radar Altimeter)、ERS1・ERS2-RAおよび、TOPEX-NRA、Poseidon-SSALTがあり、特にPoseidon計画ではKuバンドとCバンドの2周波の高度計を用い電離層の影響を補正し、さらに多くの測定精度向上のための工夫がなされている。

衛星搭載の合成開口レーダおよび地上設置型のXバンドレーダは、Bragg散乱により、各センサの波長に見合った波長(1〜30cm)を有するシークラッターからの反射波を計測する。さらに、風波による表面張力波の変調を介して風波の測定を行う。

合成開口レーダ画像からの波浪方向スペクトルには、180度の方向あいまいさがあり、波浪進行方向の計測は困難であった。これを解決する方法のひとつに「スプリット・ルック処理法」による波浪方向スペクトル推定理論がある。この方法の解説と応用可能性を巻末資料に掲載した。

マイクロ波の帯域より外れるが、HFドップラーレーダ(HF帯域:10〜100m)ではBragg散乱により、波長5〜50mの海面粗度からの反射波を計測する。この波長帯は風波成分であり、SARやXバンドレーダのような波長1〜30cmのレーダによる測定よりも、直接的な波の計測を可能にしている。すなわち、風波の峰は波長によって定まる位相速度で移動し、これから反射する電波は、ドップラー効果により周波数変調を受ける。これにより風向、有義波高、卓越周波、流れ等が推定できる。

 

5.4 衛星高度計の任務と現状

 

1990年代の海洋高度観測ミッション、GEOSAT(1985〜1990)、ERS-1(1991〜1996)、TOPEX/Poseidon(1992〜現在)、およびERS-2(1995〜現在)は、WOCE(World Ocean Circulation Experiment)やTOGA(Tropical Ocean and Global Atmosphere)のような国際的な海洋気象計画に統合されている。また、両計画はWorld Climate Research Program(WCRP)に結びついている。これらにより気候変動における海洋の果たす役割は、しっかりと監視されている。

GEOSAT衛星は1985年3月に打ち上げられ、1990年1月にその任務を終了した。初期の仕事は、米国海軍のために海洋のジオイドを測定することであった。

 

 

 

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