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2.4 まとめ

 

本研究では、台風の進行方向に対して、右側は風が強く、左側は弱いという、従来言われてきたことを確認することができた。また、中心付近の吹き込み角は周辺と比べて大きく、台風の左側の吹き込み角は右側の吹き込み角より大きいということが統計的に明らかになった。しかし、その解析は定性的なものにとどまり、台風中心付近の風の分布を定量的に表現するモデルを提案するまでには至らなかった。

財団法人日本気象協会(1982)は、台風の中心付近についてマイヤースの気圧分布を仮定し、台風が静止している場合の風の吹き込み角を15°として、台風域内の風分布について簡単な見積もりを行っている。それによると、最大風速は、台風の進行方向からみて時計回りに105°の方向(右方向でやや後ろ)で出現し、中心とこの方向を結ぶ線に対して、風速が線対称に分布するとしている。本研究の結果はこのこの結果とは必ずしも一致しない。

来年度は、更に定量的な解析を行うことによって、観測結果を説明し得るようなモデルの作成を行うことが課題である。

 

参考文献

 

宇野木早苗、1993:沿岸の海洋物理学、東海大学出版会、285-287

高橋浩一郎、1969:総観気象学、岩波書店

財団法人日本気象協会、1982:港湾気象海象要覧 東京湾、港湾気象海象シリーズ1]、172-176

 

表2.1 解析の対象とした台風一覧

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