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第4章●超領域科学としての海洋研究

 

本プロジェクト開始時に、われわれとしては海洋研究全般を包みこんでいるスキームが、近年における科学界全体の進展事情を背景にして

海洋学:Oceanography、Oceanology

海洋科学:Marine Sciences

のように発展してきたという認識をもち、海洋科学は典型的な複合領域科学であり、より上位の地球環境科学とは

海洋環境科学:Marine Envirommental Siences

という新しい視点の分野を介して、共に超領域科学と称し得るものと捉えたのである。

このような、多彩な内容と多岐にわたる関連分野、周辺分野、対象事項をもつ科学分野を理解するためには、何らかの方法での整理学が望まれるのであり、そのための第一案として「立体目次」手法がここに提示されているのである。

一般には、このような複雑系の研究分野やそのアプローチ手法に対して、学際研究とか総合科学、横断的研究、複合科学等その名が用いられてきたが、むしろムード的様相の強い描写であり、実質的には単なる既存分野の加算的・集積的コンプレックスの形をとっていることが多い。

理念を先行させる総合科学は根本的には科学の難題中の難題であろう。むしろ、現行の“混沌”の分野・手法散開事情をどのような視座でくくれるかを考え、とり敢えずのクラスター化を進め、そうした“群”の更なる相関を見ながら整理を進める、というのが現実的である。その意味での「立体目次」の効用は小さくない。

 

4-1 立体目次(試作)からみる海洋研究の現状

 

本プロジェクトの進行にあたっては、当初思考レベルで構築できる現行の研究分野解析を基盤に、モデル性格の強いグローブ形成を図った。すなわち、無作為であるが、一応のクラスター化ができる研究分野で△△学と名付けられるアイテムについて拾い出しを進め、とり敢えず海洋科学に何らかのつながりを持つ下記の大小8つの分野グローブを制作した。

自然科学関連(40分野)

海運・漁業関連(30分野)

海洋科学関連(30分野)

海洋地質学関連(30分野)

生態科学関連(34分野)

生物科学関連(38分野)

生物海洋学関連(37分野)

地理学関連(34分野)

 

 

 

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