水深1000m以上の深海的環境になると、水温は5℃以下、水圧は200ポンド/フィートにもなり、海水中の懸濁物、溶解物の沈殿が主となり、軟泥や珪藻土など、放散虫や珪藻などの遊泳生物の殻の堆積物が多くなる。
ただ、大陸棚上部に堆積した砂、シルト、粘土等が海底地すべりによりさらに深い所に一気に流れ下ることがある。いわゆる乱泥流堆積物でこの場合は粒度の異なる各種の粒子が同時に一気に運ばれ、堆積する時は粗粒なものから細粒のものへと粒子の大きさの順に堆積するため、級化成層と言われる堆積構造を示す。1つの級化成層が1回の海底地すべりを表しているので何枚も級化成層を示す地層があれば、海底地すべりを起こすような大地震が何回もあったことを示している。仮にこのような地震が100年に1回起こると仮定すれば、例えば100年に10〜15cm堆積するというような堆積速度も推定することができる。