秋田大会2001年8月16日〜26日
WG(ワールドゲームズ)豆知識
【国際オリンピック委員会】
国際オリンピック委員会(IOC=International Olympic Committee)は、1894年6月23日、フランスの教育学者ピエール・ド・クーベルタン男爵(1863〜1937)の提唱によって、クーベルタンほか15名の委員で創立され、これにより近代オリンピックが幕開けした。近代オリンピックの第1回大会は、1896年4月にギリシャのアテネで開催された。
IOCは、オリンピック大会の開催とスポーツを通じて、より平和な世界の建設を使命として活動する国際組織で、本部はスイスのローザンヌに置かれている。
IOCの委員はその国の代表者ではなく、IOCが国や地域に派遣している形式をとっており、委員がいない国が世界の半数以上ある。1998年9月現在のIOC委員は117名で、承認されている国と地域は198となっている。しかし、最近の開催都市選考をめぐる招致疑惑により委員の数や委員会に変革の予兆がある。
2001年のワールドゲームズ秋田大会は、IWGA(国際ワールドゲームズ協会)主催、IOC後援で行われ、ドーピング検査はIOCの協力により行われる。
フィールド
Item of WORLD-GAMES
*このコーナーでは、ワールドゲームズの種目を順次紹介しています。
ペタンク
一見単純な玉転がし。その実、誰もが夢中になれる奥深さが魅力
日本ペタンク連盟(F. J. P)
【フランス生まれのおしゃれなゲーム】
ペタンクの起源は、古代ローマ時代にさかのぼります。どうも人間は本能的に丸いモノを転がすのが好きなようで、「スフェリスティーク」という遊びが流行しました。それが地中海沿岸地方に広がり、さまざまなボールゲームが生まれました。南仏プロヴァンスで盛んになったボールゲームが「プロヴァンサル」。これがペタンクの原型といわれています。助走をつけて投擲するゲームでしたが、当時のプロヴァンサルのチャンピオンだったジュール・ル・ノアールが誰もが楽しめるようにと、距離を短くし、助走をつけずに両足をそろえてボールを投げるゲームを考案したのです。ペタンクという名称は「両足をそろえて」という意味のプロヴァンス語「ピエ・タンケ(Pieds tanques)」に由来しています。
現在、世界44ヵ国にペタンクが普及しており、発祥国フランスでは、プロヴァンス地方を中心に子供から大人まで500万人以上がプレーを楽しみ、会員数は50万人以上にのぼります。日本では1970年に日本ボンボール協会が設立され、1976年に国際ペタンク・プロヴァンサル連盟(FIPJP)に加盟。現在40万人以上のプレイヤーが活動しています。
【ルールと競技方法】
ペタンクは、直径2,5〜3.5cmの木製の小さな標的球=ビュット(コショネともいう)に向けて、金属製のボールを投げ合い、ビュットまでの近さで得点を競うゲームです。特別な施設は必要なく、公園・広場・グラウンドなど4m以上×15m以上の平らなスペースであればどこでもできます。公式の試合に使われるボールは直径7.05〜8.00cm、重さ650〜800gのもの。したがって、いくらスペースがあるといっても、硬いコンクリートや柔らかな芝生という状態は適しません。
競技はシングルス(1人対1人)、ダブルス(2人対2人)、トリプルス(3人対3人)の対戦形式です。シングルスとダブルスが各人待ちボール3個、トリプルスは各自2個になります。ダブルスの場合で説明すると、先攻後攻を決め、まず先攻チームの1人が任意に直径35〜50cmのサークルを地面に書き、その中からビュットを投げます。ビュットがサークルの先端から6m以上10m以内に静止したら、ゲームの開始。先攻チームのもう1人がサークル内からなるだけビュットに近づけるように第1球を投げます。続いて後攻チームが第1球を投げ、どちらのボールがビュットに近いかを判定します。次の投球は、ビュットから遠いチームが投げます。そのボールが相手チームよりもビュットに近づかないと、もう1球続けて投げることになります。つまり投球するのは、常にビュットから遠いチームというわけです。
一方のチームが6球すべてを投げ終わったら、もう一方のチームも持ちボールをすべて投げます。全投球が終わった時点で得点を計算します。ビュットから最も近くにボールがあるチームにだけ得点が与えられます。ビュットを中心に、負けたチームのボールのうち、最も近いボールと結んだ円の中に、勝ちチームのボールがいくつあるか、その数だけ獲得点数になります。投球技術にはビュットにボールを寄せるオーソドックスなポワンテと、相手ボールをはじき飛ばし、ビュットから遠ざけるティールといったワザもあります。これらの技術を戦略的に組み立てることで、たった1球で形勢を有利にしたり、大量得点を狙ったりもできるところがペタンクの醍醐味です。
【問い合わせ】
日本ペタンク協会
〒112−0004 東京都文京区後楽2-18-14
Tel 03-5800-1700,1701
Fax 03-5800-1703
日本ペタンク連盟
〒167-0053 東京都杉並区西荻南2-2-10
Tel 03-3333-9113
Fax 03-3333-3158
My Challenge(マイ・チャレンジ)
子どもたちの一人一人が未来へつながる「輪」
アーティスティック シンクロコーチ
小谷美可子さん
1992年のバルセロナオリンピックを最後にシンクロの現役生活を引退してから、私の人生の基盤になっているもの。それは、神奈川県の大磯ロングビーチで週に一回指導をしている初心者のためのシンクロ教室です。初心者といっても今年で7年目。開講当初から続けている子供たちは、週に一回の練習といえどもなかなかいっぱしになってきました。
私たちのこのシンクロ教室でのテーマは、「シンクロを通して水の楽しさを知り、仲間と協力したり考えたりしながら豊かな人間形成を目指す」こと。そのため、オリンピックや全日本などの競技会で高得点を狙うシンクロとは少し違った、年に一度の発表会を目標に練習しています。この発想は、私自身がアメリカヘシンクロ留学した際、所属クラブで年間の活動費や遠征費を捻出するために行っていたスイムショーがきっかけです。競技会より派手なコスチュームを作ったり、大道具や照明はすべて父兄の仕事。シンクロ自体にもストーリーやセリフを加えて、それはそれは楽しく、地元の人々の一つの大きなイベントになっていました。あんな風に趣味の範囲で自由なシンクロをやりたい……これは私が現役選手だった頃からの大きな夢だったのです。
いざ引退をして、縁あって大磯でシンクロ教室を開かせていただいても、最初は「どうやって浮くか」からスタートです。選手にとっては最高の環境である深いプールも、初心者にとってはかなり厳しい。注意事項を話している間にもあっちこっちでブクブク沈んでいってしまいます。少し上達するとまた新しいチビッ子が入ってくるので、今度は一人は私のお腹、一人は背中にくっつけて泳ぎながら上級生になった子供たちに声をはり上げる。大変だけど、このへばりついた子供のぬくもりや、遠くから真剣にこちらを見つめる輝く瞳がたまらないのです。そういえば、このとき背中にくっついていた子を含めて何人かはシンクロの「選手」を目指して、厳しい選手育成クラブヘと巣立ってゆきました。
今年の発表会は『ライオンキング』をやります。第一期生たちも高校生になり、今では彼女たちの背中に小さな子がそれぞれぶらさがっています。先輩たちが、ひとつひとつ浮かび方から教えている姿は、いつまで見ていてもホント飽きない。それぞれに立場が代わってもつながってゆく彼女たちの輪を、おばあさんになって車椅子に乗ってでも見続けてゆきたいと思っています。