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One Moment in Time

国旗はためくもとに

ニュースキャスター

若林正人

 

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SSF世界スポーツフォトコンテスト'95入選作品

SATORU WATANABE (JAPAN) “Everybody Goes To Soccer!”

 

子供の頃の私は、病弱で、ありとあらゆる病気をし、学校も何度も長欠した。親も、私がすでに死んだものと肺炎の時などには覚悟したと、事あるごとに言っていたものだ。一変したのは、高校時代。陸上競技部に属し、長距離を走るようになってからというもの、今日に至るまで、病気らしい病気をしたことがないから、人生とは、わからぬものだ。だから、自分を病弱にして、ひ弱と決め込んで、すべてに消極的になってはならない。

成長期のスポーツこそ、肉体の健康の源だと、今、しみじみと思う。精神的にも運動部に属したことで我慢、忍耐とか克己心などが身につき、その上、規律、連帯など社会人として生きるための規範を、無意識のうちに教わり、誰しもが多感にして危うい青春時代を、グレずにすんだ。今となって何よりもありがたく、うれしいのは、部の先輩や後輩に、利害を超えた人生の友人を得ていることだ。だから、私はスポーツに感謝し、スポーツを子供や孫に推奨してきた。そして、ありとあらゆるスポーツの熱狂的なファンでもある。

14年にわたるヨーロッパ滞在中も、家族を連れて、さまざまな試合の観戦に出かけた。テニスに、体操に、アイスフィギュアスケートに柔道にと。海外にいると誰もが、この日本を、こよなく愛するようになるから、日本選手の追っかけをした。外国では私たちの国旗も国歌もひとしお心に浸みる。札幌オリンピックの年、ヨーロッパの年末年始の風物詩となっているスキージャンプ週間で、笠谷が今でも前人未到の四戦完全制覇確実という状況で最終戦を目前にして日本に帰ってしまったことを、今でも口惜しく残念至極に思っている。

何といっても、我が人生で、最高の感動は、ミュンヘンオリンピックの男子バレー。準決勝、決勝ともに、東欧にフルセットの末の逆転の優勝。深夜におよんだ長い試合であったが、観戦していた周囲のドイツ人観客も興奮して一人も帰らず、日本の勝利が決定した瞬間、私の子供二人を抱擁して、良かった良かったといってくれた光景は、未だに忘れられない。

あの二試合は、どのようなドラマよりも、感動があり迫力があるから、現況の日本で、何度もVTRで、見て欲しいと願っている。

巷でいわれる日本人はテンション民族で、ここぞという時に弱いというのはウソだ。還暦を過ぎた今でも不思議なまでに血が騒ぐ。スポーツこそは、我が生きる張り合いとなっている。

 

食]体]動]─東洋医学からみた健康法

4]気候風土と病気の関係 根本幸夫

 

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治療法は微針(びしん)を用いる法が流行している。中央の土地は湿度が強いので、体が痿えて、疲れやすくなることが多い。治療法は按摩道引(あんまどういん)(気功法の元)がよく行われている」と述べられている。現代でも、気候風土と起りやすい病気との関連性は疑いようもなく、治療法も患者の生活環境を考慮して対処しなければならない。

一例をあげると、25年ほど前、東京大学総合図書館で古医学書の目録を編纂していたおりのことである。同僚の女性が、ご主人の外務省の仕事の関係で10日ほどギリシアに旅行することになった。しかし彼女は慢性関節リウマチを長年患っており、足が痛むので長旅を躊躇していた。小生は痛み止めの漢方薬を調合し、それを彼女に持たせて送り出したところ無事旅行を終えることができたのである。

帰国後、彼女から、「あの漢方薬は今までにないくらい即効的によく効いたので、続けて飲みたい」と言われ、小生は大いに弱ったのである。なぜ弱ったかと言えば、実は日本という気候風土のなかでは効果は期待できないからだ。リウマチは冷えと湿っ気と低気圧と強風によって悪化するが、反対に乾燥と暖かさによって痛みは軽減する。乾燥期のギリシアだからこそ効いたのであって、いやむしろ薬は必要なかったかもしれないのだ。もし彼女の行先が、暖かくても湿度の高い沖縄や寒くて湿度の高い冬のドイツ北部の旅行であれば、こううまくはゆかなかった。

リウマチなどの持病のある人は旅行、とりわけ長期の場合にはその土地の気候風土に気をつけた方がよい。少し余談になるが引っ越すときは地名にも気をつけるべきである。沼辺、沼田、浦安、舞浜、堀川、小泉、霧降などの地名はそれぞれ昔、沼や海岸、堀、川、泉などがあったり、霧などが発生しやすい湿度の高い場所である可能性が強いからである。話は飛躍するが、長崎や木曽の集中豪雨で土砂崩れのあったところは、それぞれ鳴滝村、大滝村という。このように古い土地の多くはその地域の気候風土の特徴を表わしていることが多い。また転居療養については、心臓や卒中の発作は冬場に集中するから、これらの持病のある人は気候が温暖な士地に冬場転居するだけでもずいぶん体の負担が軽減する。

 

SPORTS ON THE WEB!

 

ゴールデンウィークもアッという間に過ぎ去って、気がつけばもう入梅という季節になってしまいました。雨の日はテレビの前でスポーツ観戦を決め込む人も多いのではないでしょうか。そんなときにはWEBでデータを収集しておけば、違った視点で楽しめるかもしれません。というわけで、今回は国内メジャースポーツの観戦に役立つサイトを紹介します。

 

◇日本プロ野球公式記録

http://www.inter.co.jp/Baseball/index_j.html

 

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(社)日本野球機構BISデータ本部のサイトだけあって、日本プロ野球のデータが実に詳しく提供されています。1936年の「第一回日本職業野球リーグ戦」から記録があるので、自分の生まれ年の結果を見るも良し、最新の個人成績をチェックしてTV観戦に役立てるも良し。データ派プロ野球ファンは必見です。日本プロ野球機構公式サイト(http://www.npb.or.jp/)から入るのが便利です。

 

◇Jリーグ・データセンター

http://www1.j-league.or.jp/SS/jpn/menu/j1f/index.html

 

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こちらはJリーグの公式データセンター。プロ野球に負けず詳しいデータが載っています。時間帯別得失点集計では、F・マリノスは後半開始から15分間の得点が多いとか、ヴェルディは前半30分と終盤の15分に失点が多いといった傾向も見えてきます。Jリーグのオフィシャルサイト(http://www.j-league.or.jp/)からどうぞ。

 

◇大相撲

http://www.sumo.or.jp/

 

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(財)日本相撲協会の公式サイト。大相撲ファンにとっては堪えられない情報満載です。ちなみにSSFが設立された平成3年3月には、横綱北勝海が13勝2敗で8回目の優勝を飾っていました。

 

驢馬の目

国電でのことである。やっと一人分くらいの空きを見つけ座った。隣は金髪、野球帽、ボディビルダーの様な筋肉みろみろとばかりに早春の晩にTシャツ、Gパンの腕組み、開脚。耳にウォークマン。侵入許すかと踏ん張り、肘を突き出して領土死守に入る。こんな時は陽だまりで昼寝をする子犬のように躰を軟らかくして、柔をよく剛を制すなのだが、ウォークマンのボリュームを上げて対抗する。

この五体過満足野郎、乙武君の本でも読みやがれ。いや、こういうのに限って感激して、あいつは偉いと、良き友人だったように簡単に昇化するだろう。憤りにまかせて手を出せば、毎日新聞の吉野さんの二の舞、やれやれだ。

しかし乙武君の先生、用賀中のバスケット部の先生、戸山高のアメフト部のコーチ、すごい人達だ。そして彼の仲間もすごい。こういう人達に巡り会えるのだから、スポーツに関わるのはやめられない。でも、近頃ごくまれで、金髪坊のごときが多勢なのが嘆息。

 

 

 

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