親潮は北太平洋の亜寒帯循環の西側南下流部分を構成する海流であり、その流量は黒潮に匹敵すると考えられているが、幅も広く、その及ぶ深さも大きいため、流速は弱く高々50cm/sに達するに過ぎない。親潮は、カムチャッカの東岸沿いに南下する東カムチャッカ海流に源を持つ。この海流の約半分はクリル(千島)列島のクルゼンシュタイン(ムシル)海峡からオホーツク海に入り、非常な水塊変質を受けて、オホーツク水としてブッソル(北ウルップ)海峡から太平洋に出る。このオホーツク水と、直接南下してきた東カムチャッカ海流の水が混ざったものが親潮の水になる。北海道東岸沖を南西に流れ下る親潮は、北緯40度付近で東方に転じて太平洋中央部へと流れ去る。