宮本氏の話の中で「海図」が出てきたが、ここでは情報の整備・提供の形態として「地図」的なものを防災の観点から取り上げる。その1つにハザードマップというものがある。その定義を文献から引用して示したものが図13である。より具体的な定義を、鹿児島大学のある研究グループのホームページから引用して図14に示すが、洪水のハザードマップといったものを見られたことがあろう。ここでは海ということもあり、第三管区海上保安本部が作成した下田の津波ハザードマップを図15に示す。ここには想定されたある規模の津波による浸水区域が示されている他」地滑り・崖崩れの危険場所として急傾斜地が示されている。
油汚染に関しては、何時どこで起こるかわからないこともあり、それに対処するマップに、通常ハザードマップという言葉は使われない。むしろリスクマップ、あるいは環境影響度指標(ESI)マップというものが使われる。その概念を、ある人の講演レポートから引用しておく(図16)。その一例として、標準的と考えられる米国の一例から説明する。図17は、カリフォルニア州最南端のサンディエゴのものであるが、種々の色分けあるいはマークで、干潟・砂浜・港・人工海岸の場所が示されており、例えば千潟の所にはどんな鳥がいるか、川鵜といった種類、あるいは季節的に飛来するもの、水中に潜るもの、干潟で餌をとるものに分類して表示している。