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彼らは、長い波長の所でγは1で、短い波長の所ではγは零に近い。この変わり目の所の波長は20kmか30kmである。彼らは、γが0.5に対応する波長が海洋底の深さによって変化することを示している。(d=4km)と深いところでは、この波長は約30kmであり、一方(d=2.5km)と浅いところではこの波長は、20kmである。ここで与えられた値は彼らの結果から示したものである。

彼らは2つの独立した時系列データに対して一回だけのコヒーレンスの計算例を示している。その他の計算例は年平均を取ったデータ間のコヒーレンスを使っている。

ここで与えられたγが0.5に対応する波長は(A10)式の中で適切に使う事が出来る。

ここで(A10)の中で使用されている解析的な表現を作っているが、それはサンドウエルとマックドーのものと結果的に矛盾しないγ(k)となっている。

この表現から、S(k)とN(k)にかんする以下の推定が可能である。重力信号が(5)式から発生するものとし、これが擬似フラクタルで且つ地形がk**(-1)に比例したH(k)のランダムウオークで表現されるならば、その時は(A11)式が成り立つ。

ここでA1は定数である。ここでアルチメーターを使った海水面のデータに入っているノイズがホワイト(波数に関して一定と考える)としよう。そうすれば重力データの中に入るノイズはkに比例することになる。従って(A12)式が得られる。ここでA2はまた別の定数である。これらの仮定からR(k)は(A13)式のように表現される。

ここでAは未知の定数である。仮にA=80,000km**4と仮定すれば(A13)を(A10)に代入してd=4kmで且つk=1/(30km)の時にγ=0.5が得られる。γ(k)に関する推定式はサンドウエルとマックドーの図6bに一致している。

また、γ(k)=0.5に相当する波長は彼らが述べているように水深によって変化する(大きな潮流の所においてRがやや増加する。これも勿論サンドウエルとマックドーによって発見されているが(A13)によっては記述されていない。1992年のサンドウエルとスミスの重力場は船の重力測定と高いコヒーレンスを示しているがこれはサンドウエルとマックドーの研究が示しているよりも短波長の所で顕著である。また海嶺軸の浅海地域で、重力場は細かい短波長の成分をもっている事が明らかに成ったが、この成分は本調査による推定で保持したいと考えていた成分である。従って、80,000km**4よりもA=9,500km**4を選択しているのである。

補足として注意するべき事として、(A8)に先立つ微分の示していることがある。それはウイナーフィルターが下方接続の項には独立であるがしかし、R(k)は(A13)式を通じて深さに依存している。従ってW2(k)は陰にdに依存することになるのである。

 

 

 

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