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第1章 研究開発の概要

 

1.1 研究開発の目的

日本周辺海域には多くの海底火山が存在し、およそ数年を周期として噴火現象を繰り返している。このような海底火山活動を観測するには、従来航空機・調査船を使用した海表面上の、しかも噴火海域から安全性を考慮して離れた位置からの諸現象の目視観測が主たる手段であり、海底火山活動の状態を的確に把握することは困難であった。

このため噴火海域の海底近傍にハイドロホン(水中マイクロホン)及び海底地震計を架設し、収録した観測データを直ちに音響伝送により調査船でのリアルタイム観測が可能な海底火山観測システムを研究開発し、併せて船舶航行の安全及び海難の防止に寄与することを目的とするものである。

 

1.2 研究開発の経過概要

本システムは、海底設置型のハイドロホン、海底地震計及び記録部を含む水中装置から観測データを超音波信号に変換して待機している調査船に伝送し、船上装置で表示・記録する構成であり、海底火山活動を計器によるリアルタイム観測を可能とするシステムである。

研究開発は平成8年度から平成11年度までの4年計画で、実施した項目及び内容は、下記のとおりである。

 

平成8年度 基本条件の調査検討、水中装置の一部及び船上装置用送受波器試作

平成9〜10年度 継続して水中装置を試作

平成11年度 設置回収装置試作、総合組み合わせ試験、相模湾内実海域評価試験

 

 

 

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