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日頃行ってきた看護実践を振り返った時、緩和医療(緩和ケア)の考え方が持てていなかったこと以外に、看護実践の考え方や姿勢は間違っていなかったなと思う部分が半分と、もう少し講義で聴いた理論的な考えができるようになると自分自身の看護実践の力になるし、これからチームでやっていく時にも看護実践能力が上がり患者さんの生活の質の向上につながるとともに、看護チームのやりがいにもつながるのだということがわかった。全部の講義がとても学習になった。特に、目標2の学んだ知識を実践にいかすところまで具体化したい。目標3の具体化したものを実践し、チームメンバーとともにがんばっていきたい、というところで考えると、特に印象に残ったのはコミュニケーション・スキル、がん患者の家族への援助I、II、症状コントロールII、ターミナル期のリハビリテーションである。

コミュニケーション・スキルについては、効果的な援助ができるためのコミュニケーション技術について学んだ。看護者と患者の関係は、目的を持った意図的な相互作用である。援助関係は、患者が自分の健康を認識し、自己の力によって問題に対処し、それらの経験を通して成長発達を促進することをめざす関係である。講義を聴きながら自分が行ってきた関わりを思い出しながら、自分自身のコミュニケーションについて考えることができた。看護者は援助の専門家であり、コミュニケーションが援助過程に不可欠なものであり、効果的な援助ができるかどうかはコミュニケーションの技術に大きく影響されることがわかり、実際の援助の中で使えるようになりたい。

症状コントロールIIについては、Symptom Management─患者主体の症状マネジメントの概念と臨床応用の考え方を初めて講義で聴き、症状マネジメントの考え方が整理できた。患者中心の考え方、患者の持つ症状マネジメントは患者がその主導権を持つ。症状マネジメントの概念モデルを使って考えることで、今まで経験上でやってきたことが間違ってはいなかったが、それを使うことで粋組みが明確になり、セルフケアのレベルに応じて介入できることがわかった。オレムのセルフケア理論がベースにあってのものということで、もう一度講義とオレムのセルフケア理論を学習し、できるところから実践していきたい。

がん患者の家族への援助I、IIは家族看護の考え方と実践について、どのように考え実践していけばよいのか、今までの家族援助を振り返り考えることができた。現代社会における家族の変化、お互いに家族であると認識している。絆を共有。どこからどこまでが家族という線引きはできないが、関わりながらみとどけていくこと、いろいろな家族がいて、家族の歴史があるので看護者のものさしでみないこと、家族全体にどういうニーズがあるのかを専門家としてみていく必要があることを学んだ。終末期は家族の歴史がかぶさってくるが、問題の解決の糸口は本人、家族にあるんだということがわかった。そこをなんとかしたいと思う自分がいたので、看護者として何ができることなのかを考え、本人、家族を支えていけるよう実践していきたい。

ターミナル期のリハビリテーションについては、リハビリがターミナル期にどう関与するのか理解していなかった。緩和ケアにおけるリハビリテーションは、ADLが主で日々の日常の中でのアプローチが必要である。リハビリテーションの基本で生活をみるということは、ひとつひとつのADLから成り立ち、そこから一日の生活の流れをみる。一日の流れの中で生活をみる中での生活を整えるアプローチは看護婦の役割である。その時にできる環境を整え、その人の能力をひきだすこと、いろんなADLをやさしく利用していくことは日頃行っていることではあるが、日頃行っているからこそ看護婦の意識が大事なんだと感じた。リハビリテーションがいかに人生を送るかということだと考えると、ほんのちょっとした数センチということが大きく影響する動作が自分でできるのだとしたら、自分でできることは人間の尊厳にも影響することであるので、このような考えを持ちながら看護していきたい。

 

 

 

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