1961年10月22日生まれ
1988年 武蔵野音楽大学音楽学部作曲学科卒業
1996年 第65回日本音楽コンクール作曲部門(オーケストラ作品)入選
1997年 第66回日本音楽コンクール作曲部門(室内楽作品)第3位入賞
1998年 第3回東京国際室内楽作曲コンクール第1位入賞
作曲を田村徹、田辺恒彌、嶋津武仁、山崎正嗣の各氏に師事
Recollection - for Orchestra (1998)
私にとってオーケストラ(殊に弦楽器群)の響きは、屡々「海」を感じさせるものである。
別段、海の側で育ったわけでもなく特定の風景を象徴している訳でもないが、創作過程に於いて、その心象風景は強烈で、私の脳裏を支配してはばからないのである。
今回の作品「Recollection(回想)」は、自己の様々な「回想」を「海」のイメージへと同化させ、更に、昇華させるべく完成した。
表現手段として、時間の流れを海(弦楽器群)に例え、その海の中に、事象=回想(他の楽器群)を垣間みながら回遊してゆく主人公を描いていったが、弦楽器群はメロディーライン(私が時間軸を認識するために不可欠な物)を重視したものとなっている。その他に曲の終盤に於いて、私にとって終わりのない時間軸を連想させる全音音階を多用した。
最後に、本日この作品の演奏を実現させてくださいました多くの方々と、これを聴いてくださる皆様に深く感謝いたします。
高橋 東悟
